第2話 栄養摂取

 息子「かあちゃん、かあちゃんー」

 母「なにー、どうしたの?こっちは忙しいんだからー」

 息子「たいした話じゃないんだけどね」

 母「なによー、そんなら聞かないわよー」

 息子「いやいや、あのさー、学校でね、栄養について教わったんだけどさー」

 母「それがどうしたのよー」

 息子「1日で30品目とか、いろんな種類の栄養を摂るとかうちのご飯はどうなのかなーって」

 母「・・・・・・」

 息子「・・・・・・かあちゃん?」

 母「うちのご飯は完璧よ」

 息子「えっ、そうだったの?」

 母「当たり前じゃない、おにいちゃんや、あんたみたいな育ち盛りの子がいるのよ。当然よ。見なさいよ、お兄ちゃんを。栄養摂りすぎてパンパンじゃない」

 息子「たしかに・・・・・・」

 母「あんたは出されたもの残さず食べてれば良いの、わかった?」

 息子「う、うん。わかった」



 夕飯時


 息子「腹減ったー」

 母「もう出来るわよ。それよりおにいちゃん呼んできて」

 ・・・・・・ドシドシドシドシ。

 息子「あっ、にいちゃんくるよー」

 兄「かあちゃん、メシー」

 母「はいはいはいはい。テーブル拭いて座ってなさい」


 母「はい、出来たわよー」

 息子「えー、またチャーハンかよー」

 母「うるさい、嫌なら食べなくて結構よ」

 兄「俺、かあちゃんのチャーハン大好きだからいいー。いただきますー」

 息子「ちぇっ、毎日チャーハンで本当に栄養とか摂れてるのかよー。いただきますー」


 兄「んんー、なんだかいつもと味が違うー。香ばしいっていうかー」

 母「ふふふ、さすがはおにいちゃんね」

 息子「えっ、本当に?全然わからないー」

 母「あんたが栄養があーだこーだ言うから今日はこれが入れましたー。・・・・・・じゃーん!」

 兄「えー、白ゴマーじゃーん!」

 母「ふふふ、それだじゃありませーん。・・・・・・じゃじゃーん!」

 兄「うそー、黒ゴマまでー!!最強タッグー」

 息子「白と黒でも、ゴマだけじゃんー」

 兄「んんんー、まてよ。他にも何か感じるー。ピリッと刺激的な・・・・・・、もしかして・・・・・・」

 母「うそー、すごーい、おにいちゃんはここにも気付くのかー。・・・・・・じゃーん」

 兄「くっはー。やっぱり七味ー!完全にやられたー」

 

 母「ふふふ、ただ、さすがのおにいちゃんでも気付かないアレも実は入っているのよね・・・・・・」

 兄「ん?・・・・・・俺でも気付かないアレとは・・・・・・いったい・・・・・・」

 母「答えは・・・・・・、じゃーんコレ」

 兄「言われてみればー。遠くに感じる刻み柚子ー。やられたー」

 母「ふふふっ。息子よ、七味も入れて10品目。これが我が家のバランス栄養食よ」

 

 息子「・・・・・・。ぜんぶ、薬味じゃんよー」

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