第三章

どうしよう、、、。俺の横を落ちた女子生徒は一階で頭から血を流して倒れていた。やばい、、どこから落ちたんだ?まさか一番上から?この階段は2階と一階を繋ぐだけの階段なのだがよくある半分で折れるような作りではなく、全部繋がっているものなのだ。だからすごく長いし上から下までが高い。一番上から落ちたのだとしたら、、、それにあの出血量、、、もしかして死んで、、、。だめだ!この時やっと自分が置かれている状況を理解した。こんな所で突っ立ている場合ではなかった。まずはあの子の血を抑えないと!それに生きているか、意識があるかを確かめないと!俺は急いで一回まで降りて女子生徒に触れた。

冷たかった。

出血量もさっきの時に比べて減っている。

死んだ人間は血を流さない。

やばいどうしよう。目の前に死体がある。冷や汗が止まらない。体が震える。もしかして俺が殺したのか?もっと早く血を抑えておけば、いや大人を呼ぶべきだったか?あ、、あぁ、、どうしよう。とりあえず先生、、、そうだ!先生を呼ばなければ、、、今ならまだ助かるかも、、俺は一刻でも早くここから逃げ出したかった。俺が立ち上がろうとした時女子生徒が動いた。モゾっという感じで。

俺は思わず「ひっ!」と声を出して後ずさった。そこから俺は恐ろしいものを見た。人間は自然の摂理から明らかにかけ離れた光景を見ると、驚きよりも恐ろしさを感じるのだと俺はこの時初めて知った。

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兎田夕菜の気まぐれで 章魚蘭 @yuikoron

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