調子乗んなよ勝ち組が!(泣)

この世のものとは思えないイケメンにタメ口&あんた呼びを交わした。

目の前のイケメンは綺麗な形をした目を瞬かせ、周りの人たちはどよめいている。女子たちはヒソヒソしながらチラチラ私を見る。男子たちは皆引いてる。

あ〜わかっちゃいたけど割と早く私の学園ライフ終わったな。しかも能力関係なく。いや、まぁ自ら終わらせたんだけども。

元々楽しい学園ライフを送るために努力しようとしていたわけでも、能力を隠そうとしていたわけでもないしいいか。だって意味ないもん。

どうせ能力はすぐバレるだろうし、こんな性格がひん曲がった人間が楽しい学園ライフ(笑)を送ろうとしても上手くいかないのは分かりきったこと。

ただただ、自ら地獄に足を踏み入れたくなかった。いくら惨めな学園生活がわかっていたことだとしても、 つらいものはつらいし、傷つくし、悲しいのだから。それでも頑張って学園の無駄にでかい門の前まで来たっていうのに、人生勝ち組野郎に怒鳴られて私のつらいだとか悲しいだとかいう感情が爆発。どうでも良くなった私は無敵だ!イケメンに舐めた口聞くのだって怖くない!

私はこういう負の感情が原動力になることが多い。

これも私の能力が「人間」だかr

「お前、この俺に舐めた口を聞くことはこの学園では重罪だぞ」

イケメンがゴミでも見るような目で私を見ながら言った。気づけば周りは静まり返っていた。おっと少し感傷に浸りすぎたか。イケメンは綺麗な目を釣り上げ、綺麗な白い手をかたく握っている。相手めちゃ怒ってんな〜。

ここは一旦謝っとくk。いや待て、ちょっと待て。喉まででかかった『すみません、調子に乗りました』という言葉を飲み込んだ。そしてさっきのイケメンの言葉を頭の中でリピート再生した、、、。

重罪ぃ〜?

ざっけんな!勝ち組に負け組が舐めた口聞いただけで?勝ち組はなにしてもいいのかよ!どんなルールだよ!(泣)私はシンプルにキレた。いやブチギレた。ブチギレたしなんか悲しくもなった。そうなった私は暴走する。

「は?高校生の餓鬼が何いきってんの?何様?ふざけんな!そんなに自分がえらいかよ!別に自分が努力して得たわけでもない能力と階級と顔面で王様気取りかよ勝ち組が!負け組舐めやがって!うざい!きもい!」

そしてイケメンの顔面にビンタパーン!!周りの女子はキャー。



やっっっっっっっばい!これはやばい!イケメンにビンタをかまして2秒後には正気になった。このイケメンの発言と周りの人たちの反応。だれも止めに来なければ助けにも来ない。ここから考えれば代々わかる。このイケメンはおおよそこの学園トップレベルの能力の持ち主で地位も名誉もある。そうだよ。勝ち組以前の問題だ。なんで私このことに気づかなかったんだよ。そんな奴にびんたをかました。OK私死んだな。はぁ〜、、、、、よし!

逃げよう!でも私の後ろは人まみれ。人が少ないところは門の前だけ。くそ!これじゃ学園内にしかいけなじゃん!いや、でも、この学園は馬鹿でかい。いったん学園内で逃げ隠れして、タイミングを見計らって門から出よう

(この思考時間0.5秒)

私は全速力で門を潜り無我夢中で走った。

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