マーヴェ見習いの海中建設-引きこもり人魚が建て建て魔法で海中に新しい街を築く。-

貝袖 萵むら

第1話

「うげ、また電波が繋がんねえじゃん。9Gになって海でもDESSQできるって言うからやってたってのに。」

海の中には家があった。ここには、リバーランド・カートナムという国があり、人魚が認知されている。しかし、人魚の好物である昆布やワカメが、王国の人間に独占され、使わなくなったしっかりとした家を改造し、コンクリートで塗装。海の中にはそのようにして家や学校、役場、商店街が一つあり、街のようになっていた。

「ねえマーヴェリック、今日は人魚バレエの発表会があるの。見るだけでも参加してみない。」

「うーん。見に行きたいけど今忙しくてちょっと無理だなー。」

面倒くせえ。何のために見に行くんだよ。バレエ上手くなっちゃったら、どうせお金持ってる人の家で働かないといけないんだろ。みんなそれ分かってるのに、他の国の景色が見たいだの、市民権を得れば、人間が食べている料理が食えるだの、そんなのどうだっていいだろ。人間の中にもゲームさえあればいい奴だっているはずだ。

「マーヴェーー-。あんたさ、ミルウィーセの話は聞いたらどうなの。あとさ、自分の部屋見なさいよ。しかもここ海中空気室でしょ。こんなとこにずっといたら足の感覚なくなるんじゃない。今泳げるのあんた。」

「泳げなかったら何か困る事でもあんの。セデスヒバシー。バレエはうまい癖に一向に人間さんからプロポーズされない脳筋。」

「殺す。こいつまじでむかつく。じゃあ勝負しない?」

「ゲームならいいよー。ミルウィと二人で掛かってきなよ。クマブラでな。」

「やるわよ。ミルウィーセも。」

「私はレッサーパンダでいいよ。ほら、かかってこいや。」

マーヴェリックはゲスな笑みを浮かべた。

「本気でぶちのめす。ジャイアントゴーレムパンダでいく。」

「それ課金してないと手に入んないんだけど、てか自分のアカウント持ってたのかよ。じゃあ設定変えるから待ってろ。」

アカウント設定から、対戦時にキャラ選択はそれぞれのアカウントが所持しているものを反映させるをクリックした。

「うええ。私はアライグマしかないよ。」

「じゃあ、行くぞ。殺し合いだああ。」

結果 鯱マーヴ 10-0 ひばし、ミルウィーセ 鯱マーヴの勝ち。

「なんなのこの強さ。意味わかんない。レッサーパンダなんて分身とカウンターしかないのに、全部見切られた。」

「何もできなかった。攻撃しようとしても、全部偽物。」

「こいつは意外と奥が深いキャラなんだよ。低ジャン中に足で空を切って結構後ろにだって移動できる。ためを発動すれば正面なら守れるしな。忍者みたいって言われてる。」

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