というわけで今回も返信回ですね。質問はこれ。

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鯖鮨さんは、これは自分の人生を変えたなって体験ありますか？

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何だろう逆に難しいけども、いわゆるターニングポイント的な話だよね？

正直言ってさ、人生なんてそう簡単に変わらないと思っているんだよな。

ポイントカードみたいな感じで一定のターニングポイントが貯まると人生のグレードが上がるわけではないだろうし、後から気付くこともあるし、そういう意味では本当に劇的なことなんて人生には起きていないのかもしれない。逆に何を劇的と捉えるかの方が人生において重要な気がするわ。長い人生コロコロ変わってたらみんな大変だろうし、と言いつつもせっかく聞いてくれたので自分なりのターニングポイントを考えてみるわ。

というか、めっちゃポンポンターニングポイントなんてあるんだけどさ、全部言うとさポイントじゃなくて線みたくなっちゃうし、暗い話もそんなにしたくないからあえて明るい一個に絞るね。

『もののけ姫』観たことだと思ってんだよね。いやあのねジブリの良さとかそういう話じゃなくて、もののけ姫を観て、俺は人間が嫌いっていう風に初めて思ったんだよな。どちらかというとそれまでは、人間が悪いヤツと戦ったりするのを主流に観るわけよ。いわゆる子供向けの奴、分かりやすい勧善懲悪ね。で、まあもののけ姫を見て俺は悪い人間とかそういうんじゃなく、人間自体がそもそも悪いのか、という結論に至ってしまって人間嫌いになっちゃったんだよな。

でもね、ある日気づくわけですよ。あれ、俺も人間じゃないかって。

その時の幼少期の絶望度合いと言ったら半端ではなく、まあ起きたら虫に変身してたほどではないにせよ、かなりショックだった。あれ、コレ明るい？明るく無いかも？そう大体俺のターニングポイントは暗いです。まだ明るい方を選んでます。ブラックライトで照らすと結構光ると思う。

まぁでもね、自分も人間だと分かってから逆に人間が好きになった。

自己愛とかそういうものではなく、博愛でもなく、どちらかといえば矛盾しているところが愛おしい。そういう気持ちね。気持ち悪いね、自分で書いてて。

だって人間のことを嫌いながら今もこうして人間として生きている。人間が作ったもので人間が使う文字を使っている。それは便利だから、素晴らしいから。人間自体はめっちゃ嫌いだけど、人間が作る物は素晴らしい。もののけ姫の主題はそれじゃないにしろ、長期的に見て自分が気付いたのはそこだったわけよ。

環境破壊をしながら環境保全を謳ったり、人殺しが死刑を恐れたり、人を救うはずの宗教が人間を振り回したり、そういう矛盾が人間の最も憎むべき所であり、最も素晴らしい所だと思う。矛盾があるから全て生まれるというのが哲学として自分の中にあるのでね。そういう意味ではそれに気づかされたもののけ姫がターニングポイントだと思う。タイトルのおかげでポケモンだと思ってたらごめんな。ポケモンも好きよ。

ミミッキュが特に好き、愛されたくて擬態してるのに、本体見たら殺すのも矛盾してて好き。とっても人間的だと思う。はい、これ以上は自分でも気色悪いのでやめます。返品は受け付けません。