始まり

 ──今でも、夢に見る。

 ぼくがしたあのときの選択。愚かしく、正しいはずの、そのすべてを。

 正しい、はずだった。

 正しい、はずだったのに。

 回数、頻度……客観視。それらはどうしようもなく残酷だ。

 こうも毎回見せつけられては、疑いのひとつも出てくるというものである。

 見せられるたびに、ぼくが間違いだったのではないか、なんて疑念に囚われてしまう。

 だから。

 目を逸らした。

 目を閉じた。

 もう、後悔など感じないように。感じられないように。

 だって──だって。

 過去に犯したあやまちは、今さら取り消せないのだから。


 そうして自らを真っ暗な世界に閉じ込めてから、数年が経った。

 未だに、ぼくは答えを見つけられていない。

 いや──見つけられていない、振りをしている。

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