魔女の祝福
@chanoko
カウンセリング役の日記
七月二十八日 火
葡萄が落ちた。
一度目は、なにも思わなかった。
二度目は、少し落胆した。
三度目は、まだチャンスがあったはずだった。
四度目は、絶望のあまり動けなくなった。
五度目は、またかと思った。
六度目は、期待はずれに歯をくいしばった。
七度目は、さすがに怒りを覚えた。
八度目は、自分の観察眼のなさに呆れた。
九度目が、今回。たった今終わった。
十度目は、あと少ししたら始まる。
十度目にもなると、なにか変化を見たくなった。こんな地獄とはもうおさらば。
さあ、はじめよう。ささやかな反抗を。
そう、すべての──魔女の祝福に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます