第11話 強さを求め
「んぁー、攻撃がおっもい!」
「かっかっか!そりゃもちろんこの道だけで、30年のベテランさんだぞぉ?修行の甲斐があったと言うものだ!」
現在、お手合わせ中。この人は、リードル族(鷲)のゼンリューズさん。あだ名はゼンさん。日本刀を、続けて30年らしい。攻撃一つ一つが重い。そんで、早い。思考がまとまらない。
「フン。かっかっかー!ワシは木刀だゾォ?お前、コレが真剣だったら死んでたな!」
「冗談じゃないですよ、任務以外で死ぬのは!」
[ヤァベェ、まじで攻撃を出す暇がないし、避ける捌くさえもスレっスレ。0.01秒でも遅れたら]
[死]
[それだけは阻止せねば!]
まぁ、そんなこんなで必死にお手わせした。今では、この人と戦っておいてよかったって思える。だって、この間の戦いより明らかに強い。これは、後々いい経験になる。って、そう確信した。
〜数時間後〜
「ただいま、、、」
「あっ!おかえ、リッ」
「へ?なんでそんなボッコボコなの?わけわからないんだけど、」
「ハハハ、今日はもう寝るよ。おやすみ。」
こんな日常が20日近く続いたある日、本部から連絡が来る。
「エッ!マジっすか!今すぐ向かいます!」
朗報すぎる!急いでツキヤに伝えねば!そして出る準備も一緒に持っていこう!
「ツキヤ!」
「どうしたんですか?そんなに急いで。」
「んなこたどうでもいい、出る準備持って出るぞ!」
驚愕した表情で言われた通り行動するツキヤ。俺だって、連絡が来た瞬間驚愕した!これから、商品券のくじ当たらないかと思うくらいに!そして、ツキヤと俺は宿を出て病院に向かう。
「シークス!」
「おうッ!」
病室を開けた瞬間、医者や看護師たちが不安そうに囲み、手を添えようとしている。その中心に半裸の右肩から左脇腹にかけて包帯がぐるぐる巻きの、屈強な肉体をした、カーラル族(狼)がニッとした表情で俺の言葉に応答する。
「シークスさん!なんで!?何ヶ月も治療にかかるってお医者様が、、、」
シークスが立っている状態。ツキヤは心の底から歓喜と、驚き、そして疑問がすぐさま浮かび上がる。
「いや、私どもも大変驚きました。これほどまでに回復が早いお方は初めてでございます。」
医者が、目を見開き安堵の表情と喜んでくれている。
「我輩は、もう旅をすることができる。我輩の分も、貴殿等の分も最早出る準備はできているのであろう?ならば今すぐにでも出ようではないか!」
「おい待て待て、お前包帯ぐるぐる巻きだし、先生から退院の許可どう見たって降りてないだろ?んな、状態で旅をするのは無茶ってもんだぜ。また、傷が広がってもらっちゃ困るのはこっちだ。流石に、なぁ・・・」
[うん、だってこれでまたビンザルス来たらどうすんねん。今度こそ死だよ死。俺等旅人だから、墓作って墓参りー!っていうのもできんし。]
「そうですよ患者様。無理をならならないでください!!」
医者から、止められる。当たり前だ。患者が、よし退院しまーすって認知症か?と問い正しくなる。この時すでに、最終手段強引というのを考えてある。できればそれは避けたいのだかな
なんともなぁ。
「はぁ?諸君等、目はついてるのか?本当に医師免許持っているのか?」
「持ってます!だから、私たちは貴方を止めているんです。」
おーおー、言い合いが始まったぞ?どっちが勝つか、いくら賭けようか。
そうこうしていると、シークスが呆れた表情で包帯を取り始める。
「はぁー、」
深ーいため息をつけながら、言葉を続ける。
「どうしてもこれが見えぬのか?」
「「「はぁー!!」」」
一同そう思った。だって、綺麗に治ってんだもん。びっくりだよね、回復力能力かなって思うくらい早いし、、もう頭おかしいでしょ本当に。獣人といえど、こんなに早く治らんし。
「ちょ、おま、ゑ!?。なんでそんなに綺麗に治ってんだよ!しかも、治るの早いし。え、能力?!え、能力?!」
「ハッハッハー、我輩の回復力は世界一だからなぁ!!能力なしでこの速さ、素晴らしいであろう?」
「いや、すごいよ?すごいんだけどさぁ、なんでそんな早いわけ?」
「ん?知らん!!」
んじゃ、まぁいいや旅に出ますか。あいにく、これからの行き先は決まっている。ビンザルスに場所がバレたからには、場所を移動する必要がある。これから、面倒なことになる前に、シークスも俺も強くなる必要がある。そして、ツキヤにも格闘技術を教えておきたい。もし俺等に何かあったら、ツキヤの方にも行くかもしれない。引取先も、決めておいたほうがいいかも知れん。旅の行き先で、見つけたいい人にお願いしておこう。もし見つからなかったら警察の方々にお願いするか。
「それじゃ、行くか。旅の続きだ。」
「うむ」
「うん」
「旅の行き先は、知恵と技術の地
人間の国だ。」
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