第10話 賭けの代償

 かれこれ1時間躱し続けているが、増援が来ない。シークスも、余命いくばくもない。


[まずい、この状況が続けば、2人仲良く野垂れ死、ツキヤの元に俺らの首が届けられるショッキングなものはみせたくない!]


そう考えた時、バランスを崩し攻撃を躱し損なった。だが、その時走馬灯は見えなかった。鉄の音がしたからだ。右を見ると、、、


「増援だ!よかった、助かるぞシークス!」


「すまぬ遅れた、よく戦ってくれた。おかげで思う存分攻撃ができる!警察は、銃で攻撃を諸君は近接をジン、雷は、ソード君とシークス君の救助に当たって欲しい!」


『ハッ!』


よかった。増援が来た。そういえば、何故奴らは俺達ザングスが血を流す武器の作り方を、知っていたんだろう。そういえば、69年前の人間どももその武器を使っていた。この戦いにおいて、謎が深まるばかり。わかったことといえば、もう俺の毛皮は通用しないこと。それと、奴らは前よりも力はるかにを増していることだけだった。


「君、シークスの怪我は?」


考え事をしていると、救護班の方々が


俺たちの手当てをしに来てくれた。


「あ、えーと、俺は首元に軽く切られて血は止まっているので私の治療は後回しで大丈夫です。先にシークスを。右肩から左の脇腹に向かって深く傷がついています。出血も、酷かったので軽く止血をしましたがまだ出血が続いています。彼は、とても酷い怪我の中能力を使ったため、脳が混乱して自然治癒も見込めません。最低1時間後でしょう彼の脳が正常に働くのは。」


シークスと俺の怪我の状態を、軽く説明し俺は状況の把握と今後の対策のためヒーロー資格援助組合の人たちについて行くことになった。ヒーロー資格援助組合とは、ヒーロー資格を取る人の援助ともに今回のように資格を取った人に依頼など望む人には事務所のようなことを務めてくれる。ま、俺らほは旅人ゆえあまり頼むことも少なかったからあまり関係のない組合だった。


シークスは、怪我が酷く治療も遅かった。その時医師はこういっていた。


〔一命は取り留めましたが、今後いつ目を覚ますかわかりません。下手したら三ヶ月は、昏睡状態かもしれません。永遠と目を覚さないわけではないですが、時間がかかるでしょう。なんていったって、彼の脳は未だに混乱状態ですので。〕


シークスに申し訳ないことをした。だが、俺たちの仕事はこういうこと。シークスはこれを覚悟で資格を取って本業にしている。俺に何か言う立場はない。自分のしでかしたことに後悔しつつ今の仕事を再確認する。組長が話しかけてくる。組長はヤクザの長ではなく組合長なのだが言いにくいので、あだ名は組長になっている。


「警官たちからは、話は聞いているよ、とても相性のいいコンビのヒーローたちがいるとね。そして傍には養子の少女がいると。とても仲が良かったから、不安なのはよくわかる。だがっ」


何か言いかける組長に対し、その先の言う事を塞ぐように俺は口を開く。


「なんのことでしょう?私達は、ヒーローです。そして、死んでも戦う義務がある。彼は仕事を、自分のやるべき事を全うしたまでです。それは、彼が、僕が、ツキヤが一番わかってる。組長。僕やツキヤを励まそうとしてくれて感謝します。ですが、我々はこのようなことではじけることもないし、そんな暇があるんだったら、修行をして強くなり次このような事をなくすのみ。心配してくださってありがとうございます。」


組長から、心配の表情が消えない。俺だって、辛い。だが、シークスのことだ3日で回復させるさ。それに、目を覚ました時、俺とツキヤが急成長してたら、シークスの目を見開く姿が見てみたいしな!






 「すまん、しばらくシークスは目を覚まさんらしい、最低一ヶ月だ。コレからどうする?。」


ツキヤは、どんな表情をするだろうか?。驚くか?それとも、悲しむのだろか、どちらもその表情は見たくはないのだけどな。


「そっか。んじゃ、武道館でも貸して貰えば?旅だからお金もあるし。」


「ふぁ?」


「なによ、その馬鹿っぽい声は。どうせ、ソードさんのことなんだからどこかで修行するんでしょ?シークスさんに、強くなった姿を見せるために。」


「!?」


なんでわかった?びっくりだ。血の繋がった親子でもあるまいし、、、


我が娘、恐るべし。


「図星ね、そんなこともあろうかと、ヒーロー資格援助組合の方々にソードさんの相手をしてもらうよう頼んでおいたよ?」


「本トッ?」


「本当」


食い気味で堪えたが、まぁそう言うことで組合の本部の役員でヒーローの方と手合わせすることになった。

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