第8話 悲劇の始まり

 狂踊化の事件から9年たった。当時の俺は76だった。今では、85だ。おかしい、いや当時からずっと思っていたが、年相応のくせして未だ20代いや、それ以前の見た目なんだけど。いや冗談じゃなく、周りからも、よく言われる。ザングスの寿命は、人間と対して変わらないはず。なーんでーかなー?そう考えていると、シークスとツキヤに話かけられる。


「そういえば、ソードさんっていくつなの?」


「ム!確かに、そうだ。自己紹介の時も、歳は言われなかったしな!」


「ん?あぁ、85」


「「ふぁっ! 」」


うん知ってた。そうだよねー、そういう反応だよね、俺も動き鈍ってないし逆に、身体能力と能力は成長してるしずーっと考えてた。大丈夫、俺自身もびっくりしてるというか、もぅ、呪われてるのかなぁって考えてたりしてるから。


「うーむ、ザングスの寿命って伝説だと、人間と変わらず100年程度だときくぞ。我々カーラル族(狼)は、3年に一歳上がるが。」


「私は、一年に一歳だからソードさんと同じなんだけど、、、。今ちょうど、18だよ!」


「そう、俺もずっと考えてた。何でこんな歳なのに、鈍るどころか逆に動きが、鋭くなっているんだろう?だって、うちの親父でも60の時は、前世紀より動きは、キレがなくなってきていたから。幼少の俺でもわかるくらいに。」


そう、それよりも今全世紀と言ったがそれは、父さんが20代のとき。


でも、おれは父と離れたのが、5歳そんなこと俺が知っているはずがない。


母親に、今日で、一歳だよって言われたのも、マダラだった気がした。しかし俺は、ザングスの年齢計算を知ってからしっかりと数えるようになった。


だが、母さんが言っていたとうりにかんさんすれば、俺は8年に一歳歳が上がることになる。で、どうして母さんと世間の数え方が違うかわからない。


一年の感覚も一緒なのに。


「ムー、どうしてだろうか?だって普通に考えれば、貴様は今戦うどころか走ることすらままならぬ歳であるぞ?我輩は、どうしても解せぬ。」


「「「うーん」」」


3人で考える。


「よし!今こうして考えていても仕方がない!これから、旅の目標は俺の歳の謎の解明も含めよう!今は、それしかない。」


「ウム!」


「そうだね!」


そして今、これだけでない謎がある。


 だーもう!なんでこんなにも、家がないんだー!どうしても、そう思ってしまう、当たり前だろうか?出来るだけ、綺麗で金払う必要もなくそこそこ広くて頑丈な、購入するとしたら十万円以内の家。まぁ、そんな家があったらすーぐに、取られてるか、、、。


「なぁ、ソード。いっそもう家作ってしまえばしまえば良いのでは?」


俺の、心を読んだようなタイミングで、予想もしなかったことばだった。


「うーん、考えなかったわけじゃないんだけど、出来るだけ作る分の体力は、削りたくないんだよなぁ。ほら、俺ら職業柄何かあったら、すぐに飛んでいかなきゃならん仕事じゃん?そう考えたら、作る気にもなれんなぁって思って。」


[そう、いっそ作っちまおうか]と、考えたことは、あった。が、今説明した通り、そういうことができる仕事でもない。それに、素人が作った家なんて耐久力があまり期待ができない。


「ヒャッハー!」


「死血、ターゲット発見いたしました。貴方様の、おっしゃられた通り、作戦に実行いたします。」


「・・・。」


顔の色を血で染めたような表情で空中から、凄まじい勢いでこちらに向かってくる。


「なぁ、シークス。ありゃやる気満々だぜ?」


「ハッ!喧嘩売る相手間違えたこと、後悔させてやらぁ!あのかんじじゃなんか握ってやがる。とっ捕まえて、拷問すりゃあ、裏の情報も吐き出すだろ。血も共になぁ!」


どうやら、シークスもやる気のようだ。にしても、シークスの洞察眼が鋭すぎる。五十mほど離れた場所から、そんなことが読み取れるとは。奴らが、こちらにくるまでに戦闘態勢へと入り、ツキヤをやってきたおっちゃんに任せた。すると、十mほどになった時俺も奴らの左肩に刻まれている刻印が目に入った。凶々しい竜獣が、口からないやら覇気のようなものを口から出している。間違いない、奴らだ。ビンザルスの刻印。ビンザルスの王が、竜獣であるから竜獣の刻印になっている。その刻印は、入団する際ナイフで抉られ作る。っとそうこうしているうちに奴らが攻撃を仕掛ける。


1、2、3、4、、、5人くらいか、


二人が俺に攻撃を仕掛けてくる。


「ウォラ!」


1人は、大太刀。もう1人はナイフ。


なるほど、大太刀で俺の動きを封じナイフでその間を打つ算段か、、、。


[なかなか筋がいい。これが俺を切ることのできる武器ならなぁ。それに、5人もいるのに二人だけ?おかしい、何かある。あいつ等が考えていることとはなんだ、それにいつも脳筋ばかり加えてもう一つ、いつもより手強い敵がいる。もし、これが俺を狙っているのならば身内同然の奴を攫うか?いや、拉致ってもあの装備じゃ連れ帰るのに無理がある。シークスを狙うか?いや、だとしても弱キャラ選んで観察する方がいい。なかなか強いやつじゃなきゃ意味がないと踏んだか?ならシークスが弱かったらどうする。]


が、俺のその考えも虚しく全て大きく外れる。だがまぁ、どっちにしろ俺にその攻撃は意味がないもしシークスが負けそうになったら無傷の俺が助ければいい話。前のように俺より毛は特殊な鋼で特殊な製作方法でないと切ることは不可能。そしてその技法は、ザングスしか知らない。だから実質無意味。、、、そう思っていたのだが


「なっ!」


その瞬間に広がる赤い液体が、俺の目に映った。シークスも、目を見開きこちらを見る。[何故?]俺は、それしか頭に浮かばなかった。そして、こちらを見るシークスの後ろに武器を構え、殺そうとする男の姿。


(逃げろ)


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