番外編 天界(24,07,10仮改定済)
皆さんにとって“世界“とはなんでしょうか。自分が住む国ですか?星ですか?それともそれらを含んだ広大な空間のことですか?
私?私は、獣国にある喫茶店のテラス席でコーヒーを嗜んでいるただ
皆も聞いたことがないだろうか。天界とは、神や使いなどの我々とは圧倒的高位の存在が住まう場所。先ほども言ったが、我々では認識すら不可能なのだ。だから、今までの話が、これからする話が真か偽か私にもわからない。しかも、この話を知っているものは意外とどこの世界にもいるようで。試しにお祖父さんにでも聞いてみてはどうだろうか、もしかしたら知っているかもしれないし、私よりも詳しいかもしれない。ただし、忘れないでいて欲しいのは、これは所詮噂話ということ。噂というものは、聞く人によって話の内容が異なるものである。ではなぜ、こんな胡散臭くて古臭い話が今でも消えず永劫形継がれているのか。とある男が言った、「昔、この図書館でこの話が描かれた絵本を読んだ」と。少女は言った「どこかの歌でそんなような歌詞を聞いたことがある」と。老耄がいった「我々の信仰する神は、その天界の王である」と。母は言った「その話に出てくる神は我が息子である」と。極めて嘘くさい話だ。どれもこれも、内容が異なるものばかり。絵本だの、歌だの、宗教だの、狂信だの、馬鹿馬鹿しい。語り継ぐというよりも、まるで記憶することが促されているように感じる。どれが真実かはわからない。だか、つい最近手がかりを掴んだのだ。私の前に突然の四人の人型が現れた。彼らは自分たちを管理者を名り、隣のテーブル席に座る。胡散臭いと思いつつ会話を聞いてみると、本当に管理者なのか疑ったうほどにでそれぞれ談笑をしていた。
「あの子でしたっけ。後々入るという、噂の新人。」
「確かね。創造神様はいつも報告が雑でしょう?自分話大好きなせいで話がまとまらないの。こればっかりは仕方ないわ、言っても治らないし。」
「はあーあ。もしかしたらと思って期待してたのに、鳥獣じゃないじゃないか。数少ない同族を期待したのだが。」
「当たり前でしょ。前の子も違ったじゃない。それに、あなたのような龍族じゃ、たとえ鳥獣でもうまくいかないわよ。」
「別になんでもいいよ。今はともかく、彼がどんな人かどうかを見極めなきゃだろ。」
「それもそうね。」
そう言って、彼らはまた一人の獣人に目を向け観察を始めてしまった。本当に管理者なのかも怪しいほど嘘くさいが大丈夫なんだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます