第六十二・五話 二人の愛

アパートに引っ越しを終えた僕たちはようやく自由を手に入れた


小さな狭い1Kのアパート

二人で住むには少々手狭な部屋


でも、僕たちにはそれでも十分だった


互いに触れようと思えばいつでも触れれる距離


少ない荷物の整理を終えた僕たちは新品のベッドの上で抱き合っていた


「サチ・・・愛してる・・・」


「周平・・・」










私は周平の腕の中で、周平の胸に顔を埋めていた

大きく息を吸うと胸いっぱいに周平の香りが広がる


「ふへへへへへへへへへへ・・・」

「周平・・・大好き・・・」


私は顔を上げて、周平の肩につかまり全身を周平の上に引き上げる

周平の顔の正面に私の顔を持っていく


周平の瞳を見つめながら目を閉じる

周平の腕が私の首にまわり、抱き寄せられると軽く唇が触れ合うようなキスをしてくれる


軽く触れては離れる唇

それを何度も繰り返す


私からも唇を触れ合わせる


もう我慢できなくなってくる

周平の唇にむしゃぶりつく


私の唇を周平の唇に押し付ける

そのまま、周平の唇を舌でこじ開けて口の中を舌で蹂躙する


私は周平の服を脱がす

あっという間に周平を全裸にする


私は周平の唇にむしゃぶりつくとスカートの中のショーツだけを脱ぐ

そのまま周平にまたがり愛し合い始める


私の中を快感が貫き脳天に突き刺さる

もう我慢する必要がないと思うと、押し寄せる快感に抗うことなく口をついて喘ぎ声が漏れる


もっと触れ合いたい


その欲求が無限に高まり、私は押し寄せる快楽に喘ぎながら快楽の限界を迎え超越して、息も絶え絶えに周平に抱きつく


身体の中を満たす愛

荒く息づく互いの呼吸


また私はむしゃぶりつくように周平の唇を求め

「周平・・・もういっかい・・・」

と甘えて周平に求める


こうして独立初日、何度も何度も愛し合った


誰にも遠慮することなく

何も我慢することなく

時間も気にせず

何度も何度も愛し合った










どのくらい時間がたったのか

私と周平はベッドで抱き合っていた


心と身体はともに互いに注ぎ込みあった愛情で満たされていた


私は周平の胸に抱かれたまま指先を周平の胸に這わせている


そうしていると周平が

「そろそろお風呂の用意しようか・・・」


「そうだね・・・一緒に入ろ?」


「うん・・・」

そう言うと周平はお風呂の準備に行く


私は愛し合った余韻の中まだ身体中に漂う高まりに身悶える


やっぱりもっと抱かれていたい・・・

私はベッドから立ち上がるとお風呂場に行く


お風呂の準備をする周平に近づくと後ろから抱きつく

お風呂にお湯が張られるのを待つ間に私は周平を求める


まとわりつくように周平に抱きつくと、周平の前に膝まづく

おもむろに口に含んで・・・

「うっ・・・サチ・・・」


私は自分自身の高まりに身悶えながら求める

そのままもう一度周平にしがみついて


「周平・・・またしよ・・・」


そうしてお風呂場でも愛してもらう・・・


「周平・・・周平・・・愛してる・・・愛してる・・・」


嗚咽のような喘ぎが漏れて再び快楽の限界を超越していく・・・












僕はサチと愛しあった後、お互いの身体を洗いあってお風呂に入った


狭い風呂の中サチと僕は密着する

僕の脚の間にサチがスッポリと収まる


家でも一緒にいつまでもいられる

そうしてサチのぬくもりを感じながら過ごすことがたまらなく幸せだった


腕の中にいる満足そうな・・・それでいてまだまだ足りなそうなとろんとした表情のサチ


狭いお風呂の中で密着して、なおかつ蕩けた表情でキスを求められる

僕はそんなサチを抱きながらキスをする


軽く何度か・・・そこから求められるまま貪るように

そのまま、お風呂を上がると

抱き合いながら

キスをしながら

もう一度ベッドに倒れこむ

・・・










朝日に照らされるベッドの上

私はまぶしい日の光に目を細めながら目覚める


私は周平の腕の中にいた

目の前には周平の胸

顔を上げればそこには周平の寝顔があった


その寝顔の唇に口づけを落として

周平を起こさない様に私は起き上がる


昨夜、私たちは食事も摂らずに求めあって明け方まで愛しあっていた

顔が真っ赤になる・・・


お風呂の後使ったバスタオルを体に巻き付けて、部屋中に散らばる衣類を片付けて洗濯かごにいれる

そして、シャワーを浴びるため風呂場に入りシャワーを浴び始めた











僕は朝日に照らされるベッドの上で目覚めた


明け方まで愛しあって、抱きしめて眠っていたはずのサチがそこにいない


慌てて飛び起きて部屋中を見渡すがやはりいない


焦って玄関に向かってみるとお風呂場でシャワーの音がしている


その気配に感づいたのかサチが

「周平?起きたの?」

とシャワーを止めて聞いてくる


「うん・・・起きたらサチがいなくてびっくりしたよ」


「えへへへ・・・」

「ねえ、周平?一緒に入る?」

そう言うとサチがお風呂場のドアを開けた


もう既に見慣れたはずのサチの一糸まとわぬ身体がそこにある

肌の表面を滴る水滴が瑞々しく神々しく魅せる


「うん・・・一緒に入る・・・」


そして一緒にシャワーを浴びて

ボディソープを手に取り泡立てて互いの身体を洗いあう


そのまま高まった情欲に身を任せて再び愛しあう

サチの口からは喘ぎが漏れて再び快楽の限界を超越していく


僕はサチの火照った顔を見ながらキスをしてシャワーを浴び、サチにもシャワーを浴びせる


そして二人そろってお風呂場を出るとバスタオルで身体を拭き


そのバスタオルを落としてしまって、またベッドに倒れこんで再び愛しあってしまった

二人とももう止まらなくなってしまっていた









結局あまりの空腹に耐えきれなくなって、日暮れを過ぎて完全に夜になってから

仕方なく私たちは服を着ることにした


昨日引っ越し荷物を片付けたばかりのチェストから下着と衣類を取り出して

それでもイチャイチャしながら身に着ける


私はどこまでも周平の愛に溺れていたくなっていた

食事も眠ることも忘れて・・・


周平も同じことを思っている

私を見つめる目がそう語っていた


そしてそんな私たちを邪魔するものは何もなくなっていた

心の底から幸せになっていた


~~~~~~~~~

次回は「そして北海道へ」です

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る