第六十一話 脱出の準備

後日、サチから聞いた話では


例の事件後、歓迎会を開いたサークルは解散、サークルに所属していた男子学生が三人大学を辞めたことなどがうわさ話で流れていた


なんでも例の三人を含むサークルの男子学生複数が不同意性交の容疑で警察に逮捕されたとかなんとか・・・


あと今回のきっかけの学食でサチと朱音に声をかけてきた男子学生二人も大学を辞めていたそうだ


また、サチと朱音についてはこの事件の被害者とのうわさが流れ、周りは腫物でも触るようになり、言い寄る学生もいなくなって結果的に二人の周囲が静かになった効果があったそうだ・・・


そして、今年僕は第二種冷凍機械保安責任者資格を取得した









次の年、僕たち二人は就職試験の年となった


いよいよ独立へ向けて本格的に動き出す


サチの短大の学費105万円はサチのバイトの貯金では足りず、僕が補助することで年度初めに全額納付した


サチは

「本当にありがとう、周平」

といってすごく喜んでくれた


その笑顔が見たい

僕の本音もちゃんと伝えて申し訳ないとか考えない様に話した


四月になると僕の消防設備士乙種四類の申し込み、七月に試験で資格を取得


また七月からは学校の最寄りの教習所で準中型運転免許の教習を開始し十月に運転免許も取得した


サチは△△県□□市の打ち合わせ通りその最寄りの自治体の公務員試験の情報を集める


僕は△△県□□市の工場や病院の設備管理をしている企業の採用情報を集める


一月には選考試験、面接と進み二月の頭には採用の決定に至った


勤務先は△△県□□市内の大手半導体メーカーの工場の常駐現場の設備管理部門職員


サチは二月に三つの△△県□□市周辺自治体の採用試験を相次いで受験しそのうちの

△△県□□市そのものの一般事務職員に内定した


次に僕は△△県□□市で賃貸住宅を探し、駐車場代込み28千円の家賃で賃貸アパートを見つけ仮契約


また、自家用車に軽自動車のワゴン車も中古で安いのを見つけて注文書まで済ませその結果をすべて持って両親との話し合いを行った


これが予想外に簡単に話が進み

僕たち二人はこの三月中に引っ越すことが決まった


また、引っ越すのに合わせて僕が戸籍の分籍を行うことも話す

サチが良くは判らないふうなので、僕とサチの戸籍を現在の戸籍から外し戸籍を分けてしまうことだと説明した

実印が必要な場合に印鑑証明を取るのに僕たちの今の居場所に近いところに戸籍があるほうが楽だからという表向きの理由も


~~~~~~~~~

次回は「脱出そして独立」です

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