第五十六話 新入生歓迎会への誘い
私は短大への入学後、学内では一人でいることが多くなった
入学当初は授業などで同じ学科の女子学生とも交流を持ったが、授業以外の時間はほぼ図書館に居ることと、周平の学校の終わるのに合わせて移動するため、ほかの男子学生と交流を持ったりする子とは行動が合わなくなっていたから
また、同じキャンパス内にいる朱音とは学食や図書館で一緒に居ることが一人でいるその次に多くなった
そんなある日、朱音と一緒に学食で食事してると二人組の男子学生から声を掛けられた
私も朱音も、周平一筋なのでいつもお断りしているがこの日の二人は引き下がらなかった
「ほかの誘いもことごとく断っているのをよく見るけどさ、たまには付き合わない?」
「同じ大学なんだしさ」
朱音がちょっとムッとする
「だからさっきからお断りしてるんだけど?」
「そうつれないこと言わないで」
「そっちのおとなしい彼女はどうなの?」
私もちょっとしつこいなと思いながら
「私も興味ないからお断りしているよ?」
「おお・・・つれないねぇ」
「今度俺たちのサークルで新入生の歓迎会やるんだけど参加しない?」
「新入生女子は会費タダだからさ」
「ほかにも女子学生沢山来るし」
するとこの会話を聞きつけたほかの女子学生も加わってくる
「それ私たちも参加できる?」
「ああ、いいよ大歓迎だよ」
私と朱音を見ながらその新たに現れた女子学生・・・
同じ短大の同じ学科の当初交流を持った女子学生
私が彼氏を最優先にするからそのうち絡みが無くなった学生は言う
「ちょっとぐらいいいでしょ?タダで飲み食いできると思えばいいんだし」
「彼氏もそこまでは束縛しないんじゃない?」
「そっちのおとなしい彼女は彼氏持ちなんだ」
「そうなの、当初は私たちとも付き合いがあったんだけど、彼氏との待ち合わせで授業が終わるとすぐいなくなっちゃうんだ」
「あっ私この間、あなたのこと街で見かけたよ?」
と私を指して言ってくる
なんか嫌な予感がする
「男子高校生と仲良く歩いてた」
見られてた
「えっ?高校生なの彼氏?」
男子学生たちが『高校生』に反応する
「じゃあさ、彼氏が高校生だと今度歓迎会するようなお店には行けないだろうし」
「彼氏と行くときの下見と思っておいでよ」
「大丈夫だって」
「俺たち含めて男子十人と女子が君たち入れて十二人のグループでの歓迎会だから」
「女子同士で固まっちゃっていいし」
私と朱音はどんどん断れない雰囲気に流されて結局彼らのサークルの歓迎会に参加することになってしまった
何でもかんでも断りまくっていたから教室内でも結構肩身が狭くなっていたのもあった
そこは朱音も同じだった
もちろん周平にはこのことを相談し
その結果当日、周平は工場の作業着で同じ居酒屋に潜入!
こっそりと私たちの護衛を引き受けてくれることになった
~~~~~~~~~
次回は「歓迎会の闇」です
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