第五十二話 二度目の誕生日

誕生日当日


私はいつも通り受験勉強をしている


周平からは今日花火大会に行こうと誘われているので夕方からはデートと言うことになる


正直、ドキドキして勉強が手につかない


初めての花火デートに浮かれていることと


やはり誕生日プレゼントに何が貰えるかが気になっていることの両方で・・・


花火大会会場は鉄道で一時間ぐらい行った河川敷での花火大会で

この地域ではかなり大規模なもの


もちろん毎年大盛況で周辺部はかなりの人出となるそうだ


去年まではわざわざ人ごみの中に出かけて混雑に突っ込んでいって人の頭を見てるのか花火見てるのかよく判らないのに、みんなどうしてそんなとこ行くんだろうとまで思っていたが、今年は違う


周平との初花火デート!


大好きな彼と一緒に出掛けて、普段と違う場所を一緒に歩いて、普段と違うことを一緒にする


そして圧巻は大好きな彼と一緒に奇麗な大輪の花火が頭上に花開くのを見ながら周平からキスをされる・・・


ダメだダメだ・・・

ノートに一面「キス」って書いてしまってた


今は受験勉強に集中しないと・・・

受験して短大に合格して・・・


そしたら合格祝いに周平からプレゼント貰えるかな・・・


プレゼントって言えば周平から貰ったのが

去年の誕生日が指輪とスマホケース

去年のクリスマスが、ネックレスとイヤリング

今年の誕生日には何が貰えるかな?


やっぱり身に着けるものが貰えるのがいいなぁ

でも、いくら身に着けるものでも下着はないかな


やっぱ肌触りとかそういうのが大事だからもし買ってもらうにしても一緒に選びたいし


それならやっぱりアクセサリー?時計なんかもいいかな?ブレスレットなんてのも有り・・・


やっぱり今日の花火の時に誕生日プレゼント貰えるなんてロマンチックでいいなぁ


そんで打ち上げ花火の色とりどりの光のもと、周平からキスされる・・・


ダメだダメだダメだダメだ・・・

またノートに一面「キス」って書いてしまってた


今は受験勉強に集中しないと・・・


あれ・・・

このくだりさっきもやったな・・・


やっぱり勉強が手につかない

・・・


諦めよう


こうなったら今からすぐに周平の部屋に行ってイチャイチャするほかない


「周平、居る?」


「うん」


「入るよ・・・」


周平はベッドの上であおむけに寝転がって小説を読んでいる


その周平の横に腰掛ける

時計を見ると11時半・・・


「ねえ、お昼どうする?」


「今夜は露店でいっぱい買い食いするだろうし、小遣い残さないとだから・・・やっぱカップ麺?」


「うげっ・・・でもお小遣い考えたらその一択かぁ・・・」


「そだね~」


私はあきらめて

「じゃあ今から買いに行く?」


「よしっ行こう」


周平はさっと起き上がると私の手を引いて部屋から出る


こうして近所のスーパーでカップ焼きそばを二つ買って私たちの昼食になった


で、食べ終わると片付けをやって、周平の部屋に行く


周平はまたベッドに仰向けに寝転がって小説を読み始める


私はその周平の横に腰掛けてるけどなんだかつまんないので周平にちょっかいを出す


最初はちょんちょんと指先で周平に触ってるけど

だんだん手のひら全体で周平の胸に触って・・・


気分が高揚して、周平に抱きつく


胸に頭をこすりつけたり

本を読んでる片手を強奪して腕に身体全体で抱きついたり


そうしていると周平の手が私の女の子のあたりに当たるのでこちらからも強く押し付けてみる


それで、一気に気持ちが高ぶり

抑えが効かなくなって


周平の読みかけの小説を奪い取ると横に放り投げて


キスする

ちょっとではなくかなり濃厚な焼きそば味のキス・・・


でも、それでもこの気持ちの高ぶりは抑えられず


私は周平の服を脱がす

周平も私を生まれたままの姿にする


蕩けあい、貪りあい、混ざりあう・・・


「愛してる・・・周平・・・」


「・・・愛してるよサチ・・・」


指を絡めて手を握り合い、互いの愛を囁きあう


密着させた身体から伝わり、蕩けあい、突き抜けていく快感


やがて限界を超えて・・・

幾度となくそれを繰り返し愛し合う


夕方の出かける時間まで貪りあっていた


~~~~~~~~~

次回は「花火デート」です

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