第四十五話 就職の先輩

それからすぐに、私は高校の三年生の新学期がスタートし早速進路希望を提出した


もちろん第一志望は周平と決めた『××大学短期大学部経営学科』


第二志望と第三志望には『周平に永久就職』と書きたかったけど禁止されてたので・・・


周平のバカ・・・本気で書こうと思ってたのに・・・

いや・・・禁止されてて正解か・・・

親バレしたら修羅場になってた・・・


で・・・適当に近くの行けそうな大学を書いといた


今の段階で家出て一人暮らしする気ないし

家出るなら周平と一緒じゃないといやだし


その後、両親から進路の話が出たから


進路志望の話をして、『××大学短期大学部経営学科』に行ってどこかの自治体の公務員になる考えを話した


両親は特に何か意見を言うでもなく、黙って聞いて賛同してくれた


最初は私立の短大じゃなく公立の四年制大学に・・・なんて言われるかと思ってたけど


父親が古い考えの持ち主で女子の高学歴をあまり好ましく思ってなく、さりとて、高卒よりは大卒の資格の方がよいらしく、その考えにマッチしたようだった


ただし私立短大なので授業料などは二年間で二百万ぐらいになる


そのうちの百万は出すからあとは奨学金とバイトで何とかするように言われた


これを周平に相談すると周平のバイト代の貯金が既に七十万円ぐらいあるので何とかなりそうだねって笑ってくれた


いやいやいや・・・

なんか、そこまで周平に最初から頼れないので基本は自分で何とかするように頑張ろうと思った


それからは学校では、成績からもっと上の大学なんかも勧められたが頑として断って計画に沿って行こうと思う


それと


朱音は同じ大学の四年制を第一志望とする進路志望を出していた


朱音も周平のことを考えてのことだと笑っていた


短大の方が朱音は行きたかったそうだが、そこは両親の反対があって断念せざるを得ないみたい


周平への永久就職は私の方が二年先輩になるな・・・

「ふへへへへへへへ・・・」

おっといけない・・・笑い声が本当に漏れてしまった・・・


でも、受験勉強を始めないと・・・

まあ、日々の勉強を怠ってないので基礎固めの大筋は出来てるから

七月になるまではその続きで苦手部分の洗い直し


七月からは過去問をやっていこうかな・・・


出願が十二月で受験が二月か・・・


せっかく周平との関係が進展したのにそれにかかれる時間が減るなんて・・・

でも頑張る


だって待望の恋人と過ごす夏だよ!!

プールだよ!海だよ!!花火だよ!!!

そうだ、八月には私の誕生日もある!!!!

なに貰おうかな・・・


周平の童〇・・・は既にもらったか・・・キャッ・・・


いけない・・・よだれが・・・

今度朱音に聞いてもらおう・・・

あきれさせてやる・・・

こうして私の受験が始まった









工業高校の入学式を皮切りに

僕たち二人の新たな日常が始まった


と言っても朝の風景も時間も大して変わりない


変わるのは学校最寄り駅が二人とも同じになったので

駅の改札口を出るまでは一緒に通学している


帰り道では二人の学校の中間地点のマ〇クで待ち合わせすることになった


ただし、マ〇クでの待ち合わせは5分以内に二人とも着くので、店内ではなく店外での待ち合わせにしている


というのも、僕は相変わらず友達がいないこと

二人とも、とにかく早く会いたいこと

の両方で学校が終わり次第すぐに学校を出るから


サチは朱音からそのことでよくからかわれてるそうだ

「恋人じゃなくもう夫婦だろ」とか

「結婚式はいつ?」とかなんとか


で、待ち合わせた後は

僕のバイトがある日はまっすぐ家に


僕のバイトがない日は

ショッピングモールに行ったり、ス〇バでゆっくりしたり、そこに朱音が加わることもある


会ったときにはもちろん僕も一緒にからかわれてる

どうやらサチは朱音に今のぼくらの関係を話しているようだ


あれほど相談に乗ってもらっているのだから当然だと思う

あの写真見られてなければいいんだけど


「あんたたち夫婦仲がすごくいいね?」

「そばに居るこっちが暑くてしょうがないわ」


さりげなくからかい以外がぶっこまれてくることもある

「そのうち私も周平ハーレムに加えてよね」

なんて・・・


~~~~~~~~~

次回は「水着ショッピング」です

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