第28話 悠

恵梨香がショックうけてた表情が頭から離れない。

教育委員会にいるとはきいてたけどまさかその課だったなんて全然思ってなくて安易に言ってしまった。

でもそんなわけない。恵梨香のおかあさんのことよく知ってるわけじゃないけど、ちょっと会った感じでは、できる女性って感じで綺麗で素敵でそれでいてサバサバしたきさくな感じの人だから。なにかの誤解か誤って伝わっただけだと思う。別の人の話なんじゃないかな。

早く、恵梨香の抱いてるもやもやした誤解がとけるといんだけど。


みんなの前でも言ったけど、ちょっとした違和感抱いたことで、何が起きたのか知りたいって思ってしまっただけなのに、こんなにいろんなことが起きちゃうものなんだなってなんか怖くなる。知りたいって思うのはけして悪い感情じゃないはずなのに、予期してないことに出くわしたり、耳にしたり、知りたくないことまで知る羽目になった、みたいな。


期待してる時って、多分期待してる間の時間が実は一番楽しいんだと思う。

何か事態が動くと、あれ?ってなる。こういうのだめだと思うけど本当になる。

うちの高校は教師と生徒が個人的につながることは禁止だから。生徒のほうも、教えるな先生と交流するなってかたく言われてる。だから、瞬間はちょっと舞い上がるというか高揚感はあったけど、やっぱりどちらかというと、ショックのほうが大きい。身勝手だよね、いろいろと、自分の身勝手さにうんざりすることばかり続いてる。


でも、理屈じゃないから、ショックっていうのはでも制御できなくて。

会話の流れ思い出しても、千葉先生はわたしの好意を感じてて、それであんな感じだったんだって思うと、なんだかな。失望に近いのかなこの感覚。勝手につくりあげた先生像があって、それと違う面をみせられて、勝手に失望して、そして勝手に失恋までした、みたいな。独り相撲ってこういうこと?


もう、高校生にもなってわたし、何やってるんだろう……

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