第7話 透子
ランチ食べながら3人を眺めてて思う。
なんか不思議な顔ぶれで、不思議な縁のわたしたちだなって。
佐野悠は、超優等生。学校でも一二を争うくらい成績優秀。
難関大目指してるみたいだし、彼女なら行けるんじゃないかな。
うちの学校のトップクラスならなかなかの大学に行ってるし。
すごく真面目な子。本をたくさん読んでて物知りで感心する。
坂下美冬は、新聞部で部長。
しょっちゅういろんなことに怒ってて、元気がいい。
あと、情報通でびっくりする。
校内新聞だしゴシップなんて載らないのに校内のゴシップにまで何故か詳しくて笑える。
誰と誰がつきあってるとか別れたとか。
星恵梨香は、とにかく華やかの一言。
うちの学校はばっちりメイクの子もいるけど全然濃くないのに綺麗だなっていつも思う。
でも男っけはなくて、言われても振りまくってるみたいで彼氏はずっといないみたい。
ちょっと男嫌いかも。
あたしは、悠ほど成績もよくなく、美冬ほどキャラもたってなく、恵梨香ほど華もない。
成績は下のほうかな、進路は真面目に考えたくなくて現実逃避中。
学外でバンドやっててキーボード弾いてる。
あとバイトを放課後いれまくってる。本当は禁止なんだけどばれないし。
高校にはいって、すぐに宿泊研修があって
中学もクラスも違うあたしたち4人が同じコテージで泊まることになった。
はじめは手探りだったのになんかすぐ打ち解けて、親しくなれた。
悠はよく言ってた。
「わたしたち4人にはなんかあるよね」
って。
みんな結構違うキャラだし学校でずっとつるんでたりはしないのに、
なんかあるっていうのはわかるなって思った。
その「なんか」が何なのかはいまいちうまくいえないんだけど、
アニメのマーニーだったかな、輪の外側内側って話が出てきたけど、
あれの内側にすんなりはいっちゃう関係とでも言うのかな、
もっとシンプルに言えば、「うまがあう4人」ってところかも。
頻繁にあったりお弁当一緒に食べてたりしてるわけじゃないけど、
何か気になることがあったら誰かが招集かけて、
こうやって集まって、あーだこーだ言い合ってすっきりする、そういう関係。
居心地がよくてあたしにとっては3人ともすごく大事。
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