第111話 復活
「へいへーい! まだまだいきますよ!」
皇拳聖完全復活せんきゅー!!
体のだるさもなくなって、本格的に体を動かし始めた。
って事で、早速三銃士のスパーリングパートナーに。対戦相手の癖とかをなるべく模倣しつつ、限界まで追い込んでいく。
流石の俺も三人連続のスパーリング相手はしんどい。後半になると俺も息が切れてる。
それでもやめませんよ。先輩方には勝ってほしいからね。
「しっ!」
「ぐはっ!」
ボコボコのボコにする。これも勝ってもらう為には仕方のない事なんです。俺だってここまでするのは心がとても痛む。まいぶろーくんはーと。でも心を鬼にしてね。限界ギリギリまで追い込む。あー申し訳ない気持ちでいっぱいだー。
「くそっ! あいつ俺達をボコボコにして楽しんでやがるぞ!」
「それが世界チャンピオンのやる事か!」
「とても人様に見せられるような顔じゃないぞ!」
失礼な。俺が楽しんでるだって? 俺はこんなに心の痛みを我慢してスパーリング相手になってるというのに。
チラッと鏡を見てみてると、それはもう凄い笑顔だったけど。これは自分の心を誤魔化す為にそうなってるだけだと自己弁護しておく。
決して。決して嬉々としてボコボコにしてる訳じゃない。俺の試合前の練習でボディを殴られ続けた恨みを発散してるとかじゃない。私怨一切なし。純度100%の好意でやってますからね。
「拳聖君の次戦の相手が決まらなーい」
ジムでの練習が終わって家に帰宅。
三銃士のスパーリング相手がメインだったが、自分のスキル向上の為の練習だって欠かしてない。
早く次の試合がしたいですよと思ってるんだけど、相手が決まらない。白鳥さんも頑張ってくれてるんだけど、どうやら避けられてるみたいだ。
「これまでの結果を見たら当たり前だがな」
「ぬーん」
家族で晩飯を食べながら話をしてるんだけど、父さんは仕方ないって顔をしている。
とりあえず防衛戦ぐらいしたいんだけど。
ケヴィン選手も相手に困ってたっぽいし、無理なのかなぁ。
日本人ってか、アジアの人間にでかい顔されてるのは面白くないと思うんだけど。なんなら煽ってやろうか。誰もビビって挑戦して来てくれませんーつって。
出来れば年内にもう一試合ぐらいしたいなーなんて思ってるんだけど、ここまで次戦の相手に難航するなら、別団体に殴り込むか、階級を上げるしかないんだよねぇ。
スーパーライト級から上げるなら次はウェルター級になる。大体3kgぐらい上がるんだけど、どうなるんだろうね。ボクシングで3kgってのはだいぶ大きいし。
俺の力が通用するのかどうか気になるところ。まあ、最終的な目標はヘビー級だしここら辺で通用しないなら話にならないんだけど。
今のヘビー級チャンピオンとか平気で体重100kgとか超えてるからね。身長も俺よりデカいし。ちょっとした熊と戦うようなもんでしょ。
まあ、先の事はともかく、出来れば階級を上げる前にスーパーライト級でもう一戦ぐらい戦いたいんだけど、難しいのかな? この階級で一戦しかしないのは、なんかもにゃる。
もう少し待って無理なら諦めるけどさ。
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