第110話 気合いが入っている三銃士
試合が終わってからずっとだるかった体も無事に治った。テストも無事終わって、そろそろ練習も再開しなきゃなって感じ。
で、俺が驚いたのは三学期にテストがないって事。受験があるから当たり前かって思ったんだけど。
「って事で俺は後一回テストを受ければ、勉強地獄から解放される訳だ」
「なんだかんだ拳聖の成績があがってきてるよな」
今回のテストの最低点は50点だった。授業中に先生達がパスをくれてるってのもあるけど、チンピラ龍騎君がしっかり教えてくれるから。なんとか赤点は取らずにボクシング没収という事もなくなりそう。
そんなこんなで、ジムへ向かう。
まだ本格的に体を動かす事はしないけど、特にやる事もないし。
それに俺の世界戦は終わったけど、スパーリング三銃士の試合が11月に行われる。なんとトリプル日本タイトル戦ですよ。
俺が勝った勢いそのままに天下ジムに日本チャンピオンのベルトを持って帰ってきて欲しいものです。
俺も本格的に体を動かせるようになったら、しっかりとサポートするつもりだ。いつも俺の練習相手になってもらったりして、お世話になってるからね。
既にみんなの対戦相手の映像も見てるから、その相手を模倣してのスパーリング準備も出来てる。
「気合い入ってるなぁ」
「桃山以外は初挑戦やしな。若干気負ってるところもあるけど、ええ緊張感を保ててると思うわ」
ミット打ちをしてたり、サンドバッグを叩いたり、シャドーをしてたりしてる先輩方を見てると、気合いが入ってるのが目に見えて分かる。
会長は満足そうにしてるけど、もし三人が勝つと天下ジムから日本チャンピオンが三人、世界チャンピオンが一人在籍する事になる。
これは結構凄い事なんじゃないかな? しかもまだ期待のホープである孤南君もいるし。
俺が世界チャンピオンになってブイブイ言わせてるからか、体験入会する人も結構増えてるし、本入会する人もちらほら。会長は新しく人手も雇ったりしてるみたいだし、結構広い天下ジムだけど、ちょっと手狭になってきたりもしている。
拡張工事とかするのかな? もしするなら俺ちゃんは出資しますからね。ファイトマネーを使う機会があんまりないので。こういうところで使いたい。無駄遣いでもないし。後は地元に還元したりもしたいね。
天下ジム周りでランニングとかしてると、商店街とかで差し入れとかよくもらうし、声もかけてくれたりする、あったかい場所なんです。出来ればこういうのはなくしたくない。
まあ、どういう風に還元するか分からないんだけど。その辺は分かる人に任せよう。馬鹿がやるとロクな事にならないだろうし。
少しずつ。少しずつだけど、ボクシング界が盛り上がって来てるんじゃないかなって思う。でもまだ足りない。もっともっと一大ブームが巻き起こるくらいに。
もっと勝って勝って勝ちまくらないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます