第64話 次戦の相手
「彼女ですか。僕にも一応…」
「なんやて!!」
俺はまだ練習出来ないけど、暇だからジムにやって来た。漫画でも読んで必殺パンチでも手に入れようかと思ってね。マジでスマッシュは練習しようと思ってます。
で、ランニングはもうけろっとこなすようになり、今は縄跳びをしていた孤南君に最近俺がちょっぴりに気にしてる事を聞いてみた。彼女の有無である。
そしたら、なんと孤南君は中学に入ってすぐに彼女が出来たらしいのだ。そして仲睦まじく現在も関係を継続中。羨ましいったらありゃしない。思わず関西弁が出てきた。
「ふーむ」
「えっと…」
「あ、申し訳ない。俺の事は気にしないで続けて下さい」
邪魔するのは良くないね。俺は暇潰しに遊びに来てるだけだし。真剣に練習してる人の邪魔はだめです。
まぁ、孤南君はかっこいいもんなぁ。いや、可愛いよりのかっこいいと言いますか。細マッチョだし、これぞモテる男子って感じなんだよね。
まぁ、こういうのは求め過ぎても仕方ないって言うし。ふとした瞬間に良い出会いがあると信じて待ってよう。いや、自分から行動するべきか。でも残念ながらビビッと来る相手に出会った事がないんだよね。
行動のしようがないや。
3学期が始まった。
三学期は良い。テストが一回しかないから。その分範囲は広いんだけど。今回もチンピラに泣きつく気満々。でもちゃんと授業も受けてるんだぞ? 受けた上で分からないのだからどうしようもない。少しでも迷惑をかけないように頑張らないと。
「次の相手決まったー」
休み時間に携帯をぽちぽちしてると、代理人の白鳥さんから連絡がきた。
世界前哨戦を挟むか、世界タイトルに直行するかどっちが良いか聞かれてたんだけど、出来ればタイトル直行って言ってたんだ。
そして白鳥さんは俺の要望通り、世界タイトル戦の試合を持ってきてくれた。
メキシコ人のリュカって人だ。19歳って若いよなぁ。17歳の俺が言えた事じゃないけど。高校生で世界チャンピオンが現実味を帯びてきたな。
「お! 決まったのか? いつだ?」
「5月。結構先だな」
近くの席のチンピラが聞いてきたので素直に答える。ほんと見た目があれなだけで良いやつなんだよなぁ。今も早速応援に行くからなとクラスに拡散してくれている。
「へぇ。この前チャンピオンになったばかりなのか」
「ライト級辺りは群雄割拠だからね」
チンピラが早速対戦相手の情報を調べている。おっしゃる通り、この前タイトル奪取したばっかりなんだよね。
この辺の階級はマジでコロコロと世界チャンピオンが変わる。それだけ実力が伯仲してるんだろう。
「うわぁ。速いな」
「そうなんだよ」
俺もリュカ選手のこの前の試合はジムで見た。とにかく速い。一発はないけど、スピードが凄いんだ。しかもこのスピードをずっと維持してられるスタミナもあるときた。
流石世界チャンピオン。楽に勝てるとは思ってなかったけど、一筋縄ではいかないよね。
スパーリング相手は速い選手を見繕ってもらわないとな。
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作者ね。この話を書く直前まで拳聖は今年で卒業って勘違いしてたの。
まだ高校二年生なのよね。慌てて以前の話とか修正したけど、どこかおかしい所があったら教えて欲しいです。
拳聖君の高校生活はもう少し続きます。
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