娘に寄り添う母
第1話 考えが違う……
キャンプ場での出来事があってからは、モモコは一人になる事や暗い場所を極端に嫌がったので、私は殆どの時間をモモコと一緒に過ごしたの。
桃子は寝る時も明るい部屋でしか寝る事が出来ない。なので私とモモコ、ヒロくんとカイトに別れて寝るようになった。
カイトが私達の部屋で寝ようとしても、明るい部屋ではなかなか寝つけずにいて、結局はヒロくんの部屋で寝る事を繰り返してると、思わぬ一言を言ってきた。
「モモコが明るい部屋でしか寝れないのは、流石にマズイだろう?暗い部屋で寝る事に慣れさせないと、このまま大人になると苦労するんじゃないか?」
「先生からは、過度のストレスは与えない方が良いと言われてるのよ?無理強いする必要は無いじゃない」
「そうやって甘やかすと、ずっとこの生活が続くんだぞ?モモコを中心に世界が周ってる訳じゃないんだ。僕達が犠牲になる必要はないだろう?」
ヒロくんは、今の生活で犠牲になってると思ってるようだった……モモコは私達の責任で、大きなトラウマを抱える事になったのに……
「違うよ!私達の責任なんだよ?それに対して犠牲なんて思わないでよ。少しでもよくなるように、モモちゃんに寄り添ってあげないとダメじゃない」
「僕はその寄り添う事が犠牲だと言ってるんだよ。いつまで甘やかさないで、少しは厳しく接しないとモモコがワガママになるだけだよ!」
「ワガママでも良いから、モモちゃんの苦しむ姿は見たくないよ……どれだけ怖い思いをしていたのか、考えただけで胸が張り裂けそうになるもん。声を出す事が出来ないかったのに、声を出して私を呼んでたんだよ?」
「声が出るようになったんだ、結果的にあの事があって良かったんじゃないか?」
モモコがあれだけ怖がって、未だにその時のトラウマで苦しんでるのに……なんでそんな事が言えるのかと思った。
「酷いよ……ヒロくん。私達はもっとモモちゃんに寄り添って、見守ってあげないと一生苦しむかも知れないんだよ?」
「そうなるなら、それがモモコの人生だ。僕はもっとマオとの時間を大切にしたいんだ!」
私とヒロくんでは根本的に考えが違うようだった……
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