第4話 消えたモモコ

 モモコが4歳、カイトが2歳となった。


 モモコは本の読み聞かせが大好きで、色々な本を持ってきては読み聞かせていた。言葉を発する事はないけど、本を読みながら話し掛けると『コクッ』と頷いて相槌を打っていた。


 カイトも片言の言葉を話すようになり、モモコと2人で遊ぶ時は姉弟の絆なのか?カイトが『モモちゃ』と喋れば、モモコは頷いたり首を振ってるだけなのに全てが成立していた。


 ヒロ君と私はキャンプが好きだった。


 ある日、ヒロ君から休日を外で過ごさないかと提案されたの。


「子供達も大きくなってきたしさ、久しぶりにキャンプへ行かない?」

「グランピングみたいな物なら良いけど、本格的なキャンプはまだ早過ぎるよ?」


 子供が小さいので本格的なキャンプは無理だと伝えた。ヒロ君は少し残念な表情をしたけど納得してくれたみたい。


「そうだね、近場のオートキャンプ場を探してみるよ」

「うん、お願いね。私は2人に教えてくるわね」


 そして、週末になって初めてキャンプへ向かった。キャンプ場は近場にある初心者向けのオートキャンプ場で、小さな川があって子供達が川遊び出来るようになっていた。


 初めてのキャンプ場にモモコもカイトも興味津々で、モモコは他の子供達が川遊びをしてるのを見て、カイトに教えてあげると『バシャバシャ』と様を見て、指でさしながらモモコに喋りかけた。


「モモちゃ!」

『コクッ』


 その言葉を聞いただけでカイトの言いたい事を理解したようで、『ニコッ』と笑顔を見せてから頷いていた。


 宿泊するのはテントではなくコテージで、冷暖房完備に冷蔵庫も備えられていたので、私は着替えや食材を車から運ぶ事にした。


「ヒロ君、荷物は私が運ぶからモモちゃんとカイ君を水場へ連れて行ってあげて。終わったら私も合流するわ」

「うん、判ったよ。モモちゃん、カイ君遊びに行くよ!」

『ニコッ』

「パパ、いこ」


 3人で仲良く手を繋いで川辺へ歩んで行ったので、私も早く合流する為に荷降ろしを急いだ。


 30分程で全ての作業が終わったので、川辺へ急いで向かうとヒロ君とカイトが遊んでるのが見えた。私はモモコと遊ぼうと思ったけど、2人の近くに居なかったのでヒロ君に声を掛ける。


「ヒロ君お待たせ。ねぇモモちゃんはどこ?」

「えっ、一緒に遊んでたんだけどな?周りの子とどこかへ行っちゃったのかな?」


 その言葉を聞いてなぜか胸騒ぎを覚えたので、私は少し慌てながら周囲を見回してみたけど、見当たらないので呼び掛けてみた。


「モモちゃん!ママとお遊びしようか〜?」

「マオ?モモちゃんは近くに居ないのか?」

「返事が出来ないんだもん、近くに居るのかも判らないよ。モモちゃん〜?」


 川辺の小さな子供が遊ぶ範囲を、ヒロ君と名前を呼びながら探したけど見つからず、オートキャンプ場の運営管理者に声をかけると同時に、私とヒロ君の両親にも連絡をして、居なくなったモモコを必死に探したの。


(モモちゃんどこなの?ママの元に無事に戻ってきてお願い……)

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