Arcadia-アルカディア-

七星北斗(化物)

1.アルカディア

 位置情報ゲームというものを、知っているだろうか?


 現実の世界で、スマホを片手に冒険する。


 まさに男のロマン。


 その夢のようなゲームが、今日からサービスが開始される。タイトルは、アルカディア。


 製作会社は、日本のアルデカ社である。


 ゲームの主な内容は、ガチャなどで手に入れたモンスターを、周辺にいる魔物を倒してレベルを上げながら。


 NPC城の攻略やプレイヤー同士の対人戦という、様々なコンテンツが用意されている。


 アルカディアに登場するモンスターをスマホモンスター、略してスマモンと呼ぶ。


 すでにアプリは、予約ダウンロード済みである。なので後は、時間がくるのを待つだけ。


 サービス開始の三分前…5…3…2…1、アプリを立ち上げ、アプリのアップデートに進む。


 それが終わると、画面には一文【晴れ渡る空の下、外へ出掛けよう】言われずとも、準備はもう済んでいる。


 この日の為に、ポケットWi-Fiを親に頼んで買ってもらい。その代わりに高校受験の勉強を頑張った。


 無事に進学が決まり、中学校の卒業式は、昨日執り行われ。高校の入学式まで、遊んでられるというわけだ。


 アップデートが終わり、ようやくゲームができる。


 と、思ったら。


【緊急メンテに入りました】


 これだよ。


 画面には、大きく一文で終了時刻は未定。


 一旦落ち着こう。


 まあ、サービス開始すぐのメンテは、よくあることだよな。


 待とう…あれー?今日が…もう終わるけど。


 アプリとカプッターを交互に見ながら、思わず溜め息を吐き出す。


 カプッターにも、メンテ終了時刻載ってないや。


 もう寝よ。


 デッカくまのぬいぐるみを抱いて、布団に入る。


 残念な一日だった。でも、しょうがないか。


【おやすみー】


 次の日、朝九時に無事にメンテが終わった。


【メンテは、無事に終わりました。緊急メンテのお詫びとして、水星石を配布いたします】


 水星石とは、いわゆる無償石のことだ。


【運営の皆様、お疲れ様です。グッジョブ】


 カプッターに投稿して、いざ、冒険の世界へ。


 アプリを立ち上げ、アカウントを作り。


 プレイヤーの見た目や服をカスタムし、無料十連が引けるようで、早速引いてみる。


 …ダブリが三体で、全体的に特徴数が思ったよりも低い。


 特徴数とは、初期状態のスマモンのステータスや技の威力を、十二段階に分けた際の能力値である。


 特徴数は、スマモンを入手した時点でわかる。


 もちろん、特徴数が高い方が強いスマモンへと育つ。


 レベルが上がると、特徴数にポイントを振り分けることができる。


 振り分けた結果、能力値により覚える技が変わり。自分だけのスマモンへ育てることができるのだ。

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