第3話 ベトナム紀行③ ベトナム着の初日
空港に着けば、入国検査である。一度搭乗の時に保安検査をしているからと思うのだが、検査はきちんとしたものであった。ハノイ空港では靴まで脱がされる。その入国検査も長い行列であったが、係官が前へ行けと合図をした。何だ?と思ったが、中腰でカートを持っている年寄りと見てくれたのだろう。ベトナムはお年寄りや障碍者には優しい国のようだ。それでも、時間がかかった。
次は両替である。ハノイ空港は交換率がいいと調べていた。年金生活者の身、出来るだけお金をかけない旅行を心掛けていた。公共のバスを使う予定だった(760円)が、初日の午後はドンハー門をスケッチする予定だった。バス停からホテルまで迷って、又、もたもたしてもいけないし、バスは時間がかかる。東南アジアの旅行ではGrabを使えと教えられていた。初めて使う、それも不安だった。
タクシー(安全な2社を調べていた)利用に急遽切り換えた。両替の店で「タクシー?」と乗り場を訊いた。OK!ここで待てと云う。呼んでくれるのだ。両替店だからと信用した。500,000ドン取られた。ベトナムはともかくゼロが多い。下三つを取って、6を掛ければほぼ日本円になる。3千円と云うことになる。後から来たメグさんはメータータクシーで来て350,000ドン、2100円だと云う。ガイド本に書いてあった金額である。後でヒエンさんに聞けば、250,000ドン(1500円の方法があると云う)、ヒエンさんはタクシー料金に拘った。1,000円か、1500円かと思うが、ベトナムの換算では物価的に3倍の金額で捉えている。ベトナム価値ではベラボウなぶったくりなのである。バスなど最初から無理を計画したことがそもそもいけなかったのだ。
ホテルはこじんまりしていて、外観もネットで見た通りだった。受付の青年は丸顔で全く日本人同然の顔だ。海外と云えば、フランスか、イタリアだった。これだけで親近感が湧く。つい日本語で話したくなる。How old are you?これ位は話せる。35歳だと云う。
スケッチする時間には短い。タクシーを呼んで貰って(今回は安心)、国立美術博物館に行った。閉館が5時で1時間半ほどしかない。駆け足で、絵を中心に観て廻った。写真はOKなのだが、みなガラスが入っていて、反射で満足に撮れなかった(きっとスマホにはそれを防ぐ機能があるのだろう)。
Grabで車を呼ぼうとしたら、シャットダウン、電源切れである。タクシーに手を挙げたが止まってくれない。歩いて帰るには地理が分からない。どうしょう?海外ではスマホの電源切れは致命傷の時がある。カフエに入ってベトナム珈琲を飲んで、タクシーを呼んで貰った。店の女性は親切だった。
やれやれと、ホテルで横になっていると、メグさんが空港着、そして今フロントに着いたとラインが(待ち人来る💛、わかって貰えるでしょう私の心)。急いでフロントに降りた。「誰もいないわよ」とメグさん。裏の部屋から子供が出て来ては、来客用の飴玉を食べたりしていたから、家族経営でキットそこにいるのだろうとカーテンの仕切りを開けた。ホテルで使うタオルや備品が山積みされた部屋のソファーで35歳の青年は横になっていた。
「兄ちゃん、お客さんやで」、これは日本語で、と云うと起きて出てきた。
メグさん「田中さん(本名)素晴らしいわ~、日本語で通用させるのだから」、これって褒められているのだろうか?ともかく、メグさんと夕食が食べられる。近くの屋台で、メグさんが隣の食べている女性におススメを訊いた(メグさんは、英語でなくても誰とでも話せる)、他にと訊くと、その女性はオンリーと答えた。こうして、ハノイの初日は過ぎた。
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