そのマシュマロに恋してる
三毛猫マヤ
第1話
30分が過ぎていた。
その間、彼女からの連絡は一切無し。電話をしても発信音が鳴るばかりだ。
私の口から何度目かのため息が
*
「来年、
クリスマスの帰り道を2人で歩いていた。
あと5分もすれば自宅に到着する。
もっと一緒にいたいのに……。
そう思っていた矢先、彼女が
その一言に暗い気持ちが一転、再会のワクワクへ変わる。
彼女の明るい笑顔を
今日、私達は初めてキスをした。
ネックウォーマーを引き上げながら、そろりと自らの
「どうかな?」
小首を
*
顔を上げると私の前を何組もの女の子が通過していた。
ここ、
神話では女神同士で
1人の
私だって、彼女居るのに……。
スマホを取り出して彼女のレインの画面を開くと
ふと、不安が頭を
例えば、来る途中の交差点で信号待ちをしている時に車に突っ込まれたとか。
あるいは体調を
「……」
気が付くと彼女の家に向かっていた。
歩きから小走りになり、走り出し、すぐに息切れしてとぼとぼと歩く。
玄関に到着し、呼び
「行ってきま~す! ふふ、早く行って
私は彼女の顔色をサッと
うん、元気そう。よし、怒ろう!
「
「ふぇ? 遅刻?」
はて? と、
おお、マシュマロみたい。
「
イラァッ……その
「というか遅刻って? 何時から待ってたの?」
「そ、そりゃあ……」
正直に答えようとして、なんか私ばかりが楽しみにしていたみたいで
「何時何分何十秒? 地球が
いつの時代の小学生だよ!
気持ちが白ける。
……いいや、素直に話そう。
「6時半だけど」
「6時半?! さすがに早過ぎない?」
「だって、7時集合って」
「え? 9時だよ」
メモを彼女に見せる。
「ほら!」
「うん。だから9時だよね」
え?
よく視ると7の上の部分に
「お、怒ってごめん」
「ううん、こっちこそ、
お互いにしゅんとして、チラリと相手を見ると目が合って、どちらからともなく笑った。
*
お
「あれ?
「え?」
彼女が距離を
彼女のしっとりとした甘い
「ここだよ」
そう言って、ペロリ――
初め、何が起きたのか分からなかったが、
ふ、ふえぇぇぇっ?!
二の句が
「
取り
*
部屋に入り、
両手を広げ、きらきら笑顔の彼女に、ぎゅっと強めのハグをされる。
目を閉じると胸の底から温かな何かがふつふつと
これが幸せというやつなのかな?
なんて思い、じわりと照れる。
「
「私も
「えへ~。あ、そーいえば、まだ言ってなかったよねぇ」
「え? ああ、すっかり忘れてた」
「一緒に言おうよ」
「うん♪」
そんな
私って、彼女の事、超好き過ぎかも……。
その事実に自然、口元が
『明けましておめでとう! 今年もよろしくお願いしますっ!!』
おわり♪
そのマシュマロに恋してる 三毛猫マヤ @mikenekomaya
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