第27話 おかえりバーバラ

バーバラとマーガレットと俺の3人は戦いから戻った後、城からバーバラの家に向った。


俺はバーバラの家のやたら高いドアをノックした。

「まさか、バーバラちゃん帰って…?!」

「亡くなったっていうためだったらどうしましょう…」

「王様と、小次郎くんを信じよう。さ、一緒にドアを開けよう。」

二人は緊張しながらドアを開けた。


「ただいま。ママ!パパ!」

「「バーバラちゃん!!」」

二人は思わず泣きながらバーバラに抱き着いた。

「心配したのよ…!」

「いいじゃないか、。冷めないうちに夕食を食べよう。小次郎くんも、さぁ!」

「あと一人、来客がいるんですが…」

「こ、こんばんわ!お二人のお友達の、マーガレット・アルテミラです!!」

「マーガレットは、バーバラ救出で色々助けてくれたんです。ほんと感謝していて…」

「…もう一人分の食事、頼めない?」


二人は涙を拭いて微笑んだ。

「心配しすぎて作りすぎちゃったのよ!」

「もう外は暗くて寒い。3人とも、中で一緒に食べよう!」

俺たちは中に入っていつも通り食事を交わした。いつも通りだけど、いつも以上に笑いあっている。


「マーガレットちゃんは、もしかしてエーデルワイス・アルテミラと関係があったりするのかい?」

「彼女の本名を知っているなんてすごいですね!私、彼女の子孫なんです!」

「昔から本は大好きだったからねぇ。色んな文献を漁ったよ笑」

もしかしたら、城木家寿のこともこの家の書庫にもっと色々書いてあるかもしれない。たかがおとぎ話だと思って読んでいなかったが、今夜もっと読み漁ってみよう。


「バーバラちゃん、小次郎くん、それにマーガレットちゃん。3人とも本当に申し訳ない。私があのゼラに頼んで家庭教師をしてもらったがあまり…本当にすまない…。」

「いいんですよ、俺もみんなもなんだかんだけがはしていませんし。パパさんが頼んでなければ俺たちこんなに強くなれなかった。」

「そうそう。もう気にしてないって!」

「そ、そうですよ!」

3人の言葉を聞いたパパさんはまたもや泣いてしまった。釣られてママさんも泣いている。



俺たちはみんなで飯を食い終わった。今夜はマーガレットはバーバラの部屋で泊まるようだ。俺は一人で書庫に行ってパパさんの書庫でエーデルワイス物語について調べた。この右目のおかげで読書がやたら捗る。30分もしないうちにエーデルワイス物語に関するすべての本を読み終えた。


この話はどうやら、盗賊スキルを持った城木家寿率いる盗賊団が最強の魔王を討伐する冒険物語のようだ。

さらに文献を読み漁ると、魔王討伐後のストーリーも分かった。

魔王は最期にある言葉を言ってこの世を去った。

その言葉によれば、千年経った時再びこの地に蘇って世界を更なる混沌に陥れるというものだった。そうならないために盗賊団の主戦力たちはみんなで1000年後にまた集まって魔王に対抗しようと考えた。


なんの偶然か、主人公のエルフの子孫と盗賊スキルを持った俺、そしてその盗賊団にいたと思われる俺の守護者を名乗るアイリスが盗賊団に集まることになった。さらに言えば、王様も千年前の協力者と考えれば俺の盗賊団にも協力してくれるとなると、城木家寿の思惑通りになるのかもしれない。


まぁ、俺には関係のないことだが。




俺は自分の部屋に一人で戻った。明日にはこの家を出る予定だから、あの部屋で寝るのも最後だろう。


「もう!あんたは寝ないとだめでしょ!!?戻りなさいよ!」

「あなたこそ!あんな目にあったんですから!早く寝てください!!」

「は?!あなたこそ死にかけたのよ!ゆっくりおねんねしないとダメでしょ!!第一なんでここにいるのよ!」

「それは…あなたこそ!」

「…」

俺の部屋でなぜかマーガレットとバーバラが言い争っている声が廊下まで響いている。


「あら、もう本は読み終えたのかしら。」

「ママさん、何があったんですか?」

バーバラのママさんはずっと前からドアの前にいたようだ。

「2人ともあなたが好きなのよ笑 可愛いでしょ?笑」

「そ、そうですね笑」

俺は苦笑いした。


「ここで寝るのは最後だから、バーバラちゃんも気が立ってるのかしら笑 ここは任せて、あなたは今夜はバーバラの部屋で寝なさい。」

「…そうさせてもらいます、笑」

俺はまた苦笑いしてバーバラの部屋に向かった。


騒がしい声がここまで響いているが、今日は疲れたからゆっくり寝れそうだ。

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