第二羽「突然の出会い」

「わあっ!」

突然とつぜん、下から小さな声がした。

だれかいるのー?」

枝の上から呼びかけてみる。

「いるよーっ!」

さっき聞こえたのと同じ声が返ってきた。

身を乗り出してみるも、ここからは声の主が見えない。

私は地面へ降り立った。自分よりも背の高い草がたくさん生えていて、目の前がほぼ緑だ。

「えっと……どこにいるのー?」

再び呼びかけてみる。すると目の前にある草がガサガサと音を立ててゆれた。

「よいしょっと!」

草をかき分けて現れたのは、私と同じくらいの背丈せたけをした男の子だった。

外に少しだけ広がった金色の短いかみと少しだけきりっとした青い目。大きさがとても小さいのを除けば完全にニンゲンだ。

男の子は私と目が合うと、顔がパッと明るくなった。

「こんにちは!」

「こ、こんにちは……」

かれの元気なあいさつに私はとまどう。すると彼は目をぱちくりさせた。

「どうしたの?」

「いや、その、私がこわくないの?」

「うん!ぜんぜん怖くないよ!」

「そ、そっか……」

はっきり言われてしまうと、それはそれで困ってしまう。

「ねえ、名前は?」

「ロンディ」

「そうなんだ。ぼくはフェリテだよ!よろしくね!」

フェリテはそう言って私の前に右手を差し出した。握手あくしゅをするつもりなんだろうか。

私はおそるおそる右のつばさを前に出す。すると彼は目をかがやかせながらその先っぽをにぎってきた。

「わあ。きみ飛べるんでしょ?良いなぁ」

「どうして?」

「ぼくね、妖精ようせいなんだけど生まれつき羽がないんだ」

妖精。羽の生えた小さなニンゲンみたいな種族。だから小鳥と同じ大きさの私と背丈せたけがそんなに変わらないのか。

私は一人納得した。

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