若い心の痛む様

十六歳の等身大の、或いは十六歳らしく背伸びした悩みを描いている。その人でなければいけないということの美しさを気付くのが遅いと主人公は思っているが、それこそが十六歳という若さのようで、俺はこの表現が好きだと思った。

気になる点はカギ括弧の閉じに句点が用いられている点だけである(国語の教科書ではそのように用いられるが、一般に小説ではカギ括弧の閉じに句点は用いない)。
筆者に指摘した段落頭の一字下げは改善していたので、とても良かったし、全体として文章が読みやすかった。

この話で痛みと共に成長した主人公が、これから先も物語に出てきたら面白いな、と個人的には思う。