第6話 二度目(三度目)の告白


 七月中旬、僕は親友の孝太の噂が誤解に基づくものであることを知る。


 実際には、孝太は女の子を虐めてなんかなく、同じグループの友達が虐めをしていたこと、その子の自殺も嘘で、実際は池で溺れて亡くなった事実が明らかになった。


 僕はこの事実を美咲に話し、噂が誤解に基づくものであることをクラスメイトに伝えてもらうことに。


 すると、夏休み前には噂は自然と消えていて、僕も孝太もクラスメイトと話すようになり、皆と仲良くなった僕たちは、夏休み中楽しい時間を過ごすことができた。


「美咲さんのおかげだよ、ありがとう」


「そんなことないって、そうそう、夏休み中二人で何処か遊び行かない」

 

「うん、遊び行こう」


 こうして僕は美咲さんとも中学時代の頃のような関係に戻り、今好きなアーティストがいることも知っていたので、このチャンスを活かし、誕生日に彼女が好きなアーティストのコンサートチケットを贈り、一緒に遊びに行く約束をすることに。


 一回目の時は適当に誕生日だからとゲームを渡したけど、今回は違う。


 彼女が好きなアーティストのコンサートを見終わった帰り道、僕は勇気を出して再び彼女に告白をすることに。


 美咲は驚いた表情を浮かべたが、その後には優しい笑顔が返ってきた。


「私も孝太くんのこと大好きだよ」


「うん、僕も美咲さんが好き」

 

 僕は嘘と誤解の向こう側で真実を追求し、友情を守り、愛を見つけたのだった。



 帰宅後、電気を消し布団に入ったとたん、眩い光が飛び込んできて、見覚えのある妖精が現れた。


「ミッション成功しましたね」


「あ、ありがとうございます。  色々上手くいきました」


「では、このままだと駄目なので、元に戻しますからね」


「えっ?」


 目を覚ますと、いつも通りの朝になっていた。


 なんの違和感も感じないまま、スマホを確認すると、美咲さんから届いたメールに「ごめんなさい」の文字が··········。


 二度告白したのはなんだったんだろうか、もしかするとあれは夢だったのかもしれない。


 僕は美咲さんに電話を入れた。


「おはよう、美咲さん」


「う、うん、おはよう圭介くん」


「ごめんね、朝早くから電話なんかして、実は、僕の身に起きた出来事について話がしたくて」


「うん、どうぞ」


 こうして僕は、信じてもらえるかも分からないのに、妖精と出会い、二度目の告白を成功させたと思った話をした。


「えっ、そんな不思議なことがあったんだ」


「うん、でも、朝起きたら「ごめん」てメールきてたから、やっぱりこれは僕の夢なのかちゃんと確認がしたくて」


「そっか、本当に夢の中で成功したなら、それは多分······私の本当の気持ちなんじゃないかな」


「そうだといいけど、ごめん、やっぱり僕の二回目の告白は夢だったんだね、ありがとう、じゃぁまた学校で·····」


「ちょ、ちょっとまって圭介くん、私も少し迷っていたけど、やっぱりあなたのことが好きなの。  だから、昨夜のメールは無視してほしいの、それでもう一度、こ、告白してくれないかな?」


 僕は美咲さんの言葉に背中を押され、再び告白のチャンスを掴もうと決意することに。


 そして、その日の放課後、美咲さんに向かって言葉を口にした。


「美咲さん、本当に大切なことを言いたいんです。僕はあなたのことが好きです。一緒にいたいし、ずっと支えたいと思っています」


 二度目(僕からしたら三度目)の告白を聞き終えると、美咲さんは微笑みながら、僕の手を取った。


「圭介くん、私もあなたのことが好きです。もう迷いません、よろしくお願いします」


「うん、喜んで!」


 この時、僕たちはお互いの気持ちを確かめ合い、幸せな未来を迎えることができたのだった。


 









 








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運命の告白 東雲三日月 @taikorin

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