第8話 奇妙な出来事、再び
あれから日が流れ、12月も中旬に。
先月の奇妙な出来事も忘れかけていたある日。
朝起きるのも寒くて辛い季節だが、僕は朝4時に起きて学校前までプラモ制作に勤しんでいる。
この時間の方が作業も捗るし、自分の中で色々な考えも纏まる、自分だけの時間なのでとても好きだ。
しかし、そろそろ学校へ行く時間だ。
出来ればずっとプラモ作っていたいが、仕方無く朝食を食べて学校行く準備をする。
何と無く部屋を見ると……
またお金が落ちてる。
その時、突然呼び鈴が鳴る。
「おはよう、京ちゃん」
珍しくみやが迎えに来た。
「ねぇ、今日はクリスマスだよね。特別感を演出して迎えに来てみたんだけど、約束覚えてる?」
約束は覚えていたが、今日だと言う事をすっかり忘れていた。
それを悟られない様に「覚えてる」と答える。
「もう……絶対忘れてたでしょ?
今夜待ってるからね」
わかったと返事をしながらも僕には気になる事がある。
「最近、みやの服はジーンズに黒シャツ、コートが多いけどそれ流行ってるの?」
「ま、まぁ私の中では流行ってる……のかな?」
気の所為か最近いつも同じ服装をしている気がする。
僕も同じ様な服沢山持ってるし案外普通なのかな。
元々スリムな体型が、服装の所為もあり尚更スリムにも見える。
いつもの様に山田と佐藤が学校へ向かってる。
「おはよう」
「おっす。朝から相変わらずアツアツだねぇ」
「えへへ」
珍しくみやが照れる。
「今日クリスマスなのに何だって学校行かなきゃならないのか。休みにしろよなー全く」
山田が文句を言い始める。
「でも、今日の授業は鳥畑先生の授業だからすぐ終わるよ」
と僕は答える
「なぁ、前にもあったけどそんな先生居ないよ。
疲れてるんじゃ無い?」
佐藤に言われる。
僕とみやは顔を見合わせる。
「え?鳥畑先生だよ、覚えてないの?」
みやが聞き直す。
「この前から、もしかして2人で俺達を騙そうとしてる?
仲良いのはいいけど、そう言うのはやめた方がいいよ」
普段おふざけキャラの山田に真面目に言われると堪える。
「ごめん、
そう言う訳じゃなかったんだけど……」
僕が申し訳なさそうに謝ると佐藤は、
「まぁ大した事じゃないからいいけど、
次から気を付けてくれよ。
あと、そんな騙しに引っかから無いから!」
冗談まじりに許してくれたが、僕とみやの中には底知れぬ不安が渦巻いていた。
「これって……また、同じなのかな」
既にみやは泣きそうな顔をしている。
「まだ分からないけど、恐らく……は」
「京ちゃん……怖いよ」
「大丈夫、確かに気持ち悪さはあるけど、僕達に実害は無いはずだ。
寧ろ消えた先生の話をしている僕達が異端なのかも知れない。取り敢えず皆に合わせよう」
「うん、それもそうだね。そうしよう」
そうして授業が終わる。
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