第6話 奇妙な出来事
次の日の朝、学校に向かう。
今日は朝からとても憂鬱な和光先生の授業だ。
しかし授業の後はみやといつもの約束がある。
夕食も食べられる!
頑張って行こう!
実は昔、模型作りに専念しすぎて食が疎かになりげっそりと痩せてしまった事がある。
それを見かねて、みやのおばさんが僕に食事をご馳走してくれる様になった。
そのお礼として僕は子供の面倒を見る事にしている。
僕は子供の面倒見るのは嫌いでは無いし、みやのおばさんはみやだけじゃなく僕の面倒までみてくれているので、とても感謝している。
そんな事を思いながら学校へ向かっていると、また通学途中に山田、佐藤と会う。
みやも少し後に合流してきた。
「おはよう」
「おっす」
「おはよう、京ちゃん」
みやが口を開く
「今日も寒いねー。
所で昨日の授業、大変な事になってたけど、
あの後どうなったのか誰か知ってる?」
佐藤・山田「?」
僕「?」
みや「?」
…………?
謎の空気が流れる。
「昨日和光先生とイトウさんが揉めて授業途中で終わったけど、皆あの授業受けてたよね?」
すると山田が答える。
「和光……って誰?
俺そんな先生知らないよ」
続けて僕は佐藤にも聞いてみる。
「佐藤も一緒に授業受けたよね?
佐藤も見てなかったの?」
「俺もお前と同じ授業受けてたけど、
先生の名前も違うし、何事も無くそのまま普通に授業は終わったよ」
「おいおいー、またいつもの悪ふざけなのか?
悪いけど真面目に答えて欲しい」
「いやいや、悪ふざけも何もそんな先生聞いた事ないよ。なぁ山田」
佐藤の言葉に山田も頷く。
どういう事だ?
確かに2人はふざけている様には見えない。
いつも悪ふざけはしても、2人はこんな意味の無いふざけ方をしないのは僕も良く知っている。
「京ちゃん……2人とも昨日の事忘れてるの?」
みやだけは僕と同じ事を覚えているらしい。
「いや、違う……
もしかすると和光先生その人を覚えてない?」
「え?何それ。怖い」
「ちょっと他の友達にも聞いてみるよ」
「私も……聞いてみる」
授業に遅れない範囲ではあるが、目に留まった友達数人に聞いてみたが誰も和光と言う先生を知らなかった。
みやの方も同じ結果だったらしい。
これは一体……?
私とみやしか和光先生の事を知らない。
そして授業の時間。
教室は同じだが、和光先生では無い知らない先生に変更されて授業が始まる。
そして違和感だらけの授業が終わり、
みやと合流する。
「京ちゃん、何これ……
怖いし気持ち悪いよ……」
みやは完全に怯えている。
何が起こっているのか、どう思考を巡らせても僕には全く理解出来ない。
まるで和光と言う先生の存在自体最初から無かったかの様な気までする。
そう言えばイトウさんは……今日は休みか。
しかし話が聞けたとして恐らく同じ答えが返ってくるのだろう。
どれだけ考えても埒が明かない。
今日は元々みやの家に行く約束だし、この件についてもう少し話もしたいので、早めに行ってもいいかと提案してみる。
「うん、大丈夫。寧ろ1人にしないで欲しい。
早く家に来てね。待ってるから」
僕は色々な事を考えながらも家に帰り、
すぐにみやの家へ向かう。
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