第101話 側妃の部屋に誘われました
私は皇女殿下に憎しみのこもった目で睨まれてブルっと震えたんだけど……
やばい。これは絶対にやばいやつだ!
でも、ポーラに対してあんな酷い事を取り巻きに言わせたんだから、仕方がないんじゃないかとも思ったのだ。
結局、先生の叱責は授業のギリギリ前にやっと終わったのだった。
私達は慌てて教室に入ったのだ。
一時間目の歴史の次は魔術実技の時間だった。
私はまた大層な机の置かれた教室に行ったのだ。
「これはこれは聖女様。ようこそお出でいただきました」
なんかゴードン先生の衣装がパワーアップしているんだけど。
完全に聖職者のそれになっている。
おそらく大司教を真似たものではないかと思んだけど……
そして、その後ろにこのクラスの生徒達も私に頭を下げて迎えてくれるんだけど。
それはまずいだろう!
「あの、皆さん。学園在学中はみな平等だと思うのですが」
私が思わずに言うと、
「何を仰るのです。聖女様。聖女様と皆は別物です。私も、70年の人生の中で、この教室に聖女様をお迎えするのは初めてです。そもそも、聖女様がアリストン王国から出ることは今までありませんでしたから。聖女様がこの国にいらっしゃったのは初代聖女様以来なのです。このように聖女様と机を並べるなんて貴重な場に皆はいられるのです。それだけで感激しておりますからな。聖女様に対して頭を下げてお迎えするのは当然のことなのです」
ゴードン先生はそう言ってくれるんだけど。本当にみんなそう思っているかどうかはかどうか怪しいんだけど……
授業は私の護りの首輪についてだった。
「聖女様の首につけておられる首輪は初代皇帝陛下が最愛の初代聖女様にお渡しした護りの首輪です。基本的にしている相手に対して敵対しようとすると護りの首輪が発動してその者を弾き飛ばすと言われております。以来、歴代の皇族の方が愛する相手にお渡しして相手を守ったと言われいる国の宝です」
先生が説明してくれた。
チェルシーから聞いた所によると、クリフは物覚えの悪い私に疲れたと言っていたのだから、クリフが私に渡してくれた理由は私を愛していたからではないと思うのだが、私はそこは反論しなかった。
「また、この護りの首輪は愛しているものを呼べば、その相手を呼び寄せると言われております。お互いに愛し合っていればこの首輪の前では空間もつながるのです」
先生が言ってくれるけれど、私はクリフから愛されていないからつながることはないということなんだろう……
なんかそう思うと悲しくなってきたんだけど。
いかんいかん、こんな所で泣き出したら大変なことになる。私は慌てて涙を拭いたのだ。
それ以外の授業も礼儀作法の授業で私がマイヤー先生からいじめられた以外は順調にすべて終わった。
そして、王宮に帰った私はそのまま自分の部屋に向かおうとしたのだ。
「これはこれは聖女様。いつぞや以来ですわね」
そこになんとあの側妃が現れたのだ。
な、なんでここに?
私は唖然とした。
「側妃様。いかがなされたのですか」
近衛のハリーさんが声をかけてくれたのだが、
「私は今、聖女様とお話しているのよ。近衛風情が邪魔して良いものではないわ」
「ぐぬぬぬぬ」
側妃の言葉にハリーさんが歯を噛み締めたんだけど。さすがに言い返せないみたいだった。
「お互いにお相手に相手にされないどうし、少しお茶でもいかがかしらと思ったのだけど、聖女様は気位が高すぎて妾風情とはお話もして頂けないのかしら」
嫌味炸裂で側妃様が言ってきた。ここにも私がクリフに振られたのが知れている。まあ、チェルシーや第二王子がペラペラと嬉しがって話してくれたのだろう。
今日は私の侍女はレナしかいないし、彼女では側妃様の対応は無理だ。エイミーがいたらなにかしてくれたかも知れないが、ここにはいない。
万事休すだ。
ここは断るべきではないだろう。
「先日は失礼いたしました。側妃様に置かれましてはご機嫌よろしゅう」
私は頭を軽く下げたのだ。
「私の所にういろうという異国の珍しいお菓子があるのよ。よろしければご一緒にいかが」
えっ、ういろうって名古屋名産のあのぷりぷりした羊羹のようなお菓子だ。
私は好物だったのだ。
「判りました。お伺いします」
私はあっさりと釣られてしまった。本当に馬鹿だった!
着替えるのもあれなので、制服のままお邪魔することにしたのだ。
クリフからは側妃には近づくなと言われていたが、こうなったら断るのも角が立つだろうとういろうに釣られた私は思ったのだ。
私はやむを得ず、仕方無しに側妃について行ったのだ……
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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
続きは今夜です
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