第24話 来月の話

 年が明けたと思ったのもつかの間、今や一月も残すところ二週間である。

 ずいぶんと時が経つのも早くなった。

 実際は私が歳を取ってしまったということなのだろうが、しかしそれにしても時の流れは早い。


 もう来月の心配をしなくてはならないのだ。

 来月は二月、和暦で言うところの如月である。

 何があるか、といえばバレンタインと節分。


 そういえばバレンタインも縁遠くなってしまった。

 母親とかぐらいしかから貰えないんだろ~、という煽りも今や昔、母親からすら貰えなくなったのだから世知辛いものである。

 もっとも、私の場合は別居しているので物理的に渡せないのだが。

 ところで義理チョコも最近渡す人が減っている、という話を聞いたことがある。

 確かに用意するのも面倒なのかもしれない。

 既製品でごまかすくらいなら、バレンタインでなくとも常備しておいたほうが昼食時や休憩時につまめるのでいいとも思う。

 ともかく、二月十四日を過ぎれば安売りのチョコレートが手に入るのは確かだ。


 節分も豆まきはしなくなった。

 小さい子供がいる家族でする行事の一つという印象があるからだろう。

 大豆ではなく落花生をまいて、豆まきのあと歳の数だけ食べる儀式に再利用していた思い出もある。

 炒った大豆は子供の頃はあまりいいものではないと思っていたが、年を取るとそれなりにおいしいタンパク質だと感じるようになった。

 脂肪分はそんなにはないだろう。

 落花生のほうがナッツ類になるので、脂肪分が必要ならばそちらを食べるべきやもしれぬ。

 節分といえば十数年前ぐらいから恵方巻なるものが喧伝されるようになった。

 この恵方巻を積極的にやったことはないが、節分の日の夜には安い巻き寿司が出回るのでこちらもお得である。


 とりめなく書いてきたが、無精の人はチョコレートロールケーキを買って東南東あたりを向いて食べるといいだろう。

 バレンタインも節分も同時に祝えるのだから。

 

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