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「…三つ目は?」


「神を倒す。俺らを勝手にこんな世界に放り込んだ上に無茶苦茶な二者択一を強いる神はぶん殴られて当然じゃね?」


「はっ!それはいい。俺も一枚噛ませろ」



飯島が次に進めるように聞いてくるので本命の意見を言うと灰村が同意して賛同する。



「流石だな!海!神の領域に居るだけあってスケールのデカい事を考えつくわ!」


「確かに言われてみればムカつくわ…神様だからってなにしても許されるワケじゃねーしな。流石だぜ」



柴田の弄りが混じった褒め言葉に藤原は少し考えたように賛同しながら褒めた。



「でも実際問題どうやって神を倒すんだ?」


「…だよな。っていうか神はどこにいるんだ?」


「いやそもそも神を倒して大丈夫なのか?」



駒込や石井、井上は雰囲気に流されずしっかりと現実を見ながらの疑問を言い出す。



「そこで四つ目よ。元の世界に戻るための研究をする。俺らが来れたんだから戻る方法もあるはずだしな」


「…あー、海原なら出来そー…」


「あの王子達と一緒にやるんならマジで海原なら出来てもおかしくないし…」



俺が親指だけを畳んだ手を見せて告げると佐藤と清水が納得しながら返した。



「第三の神の研究か…」


「コッチの世界とアッチの世界を行き来出来るようになりゃ人生イージーモードじゃね?」



柴田の弄るような呟きに藤原は嬉しそうに確認する。



「まあとりあえず明日の夢見の巫女とやらの返事待ちだな」


「コレで神が日和って『やっぱ無しで』とか言い出したらウケるな」


「いやまあウケるけど…元々俺らは最初に出した条件をクリアしたんだから追加で出されても困らね?」


「確かに。じゃあ最初から言っとけよ、ってなるからな」


「まあ『報連相下手くそか!』ってなるわな」



俺が纏めるように言うと藤原が笑いながら返すも柴田が納得いかなそうに言い、駒込と石井が同意する。



「じゃあ解散って事で」


「じゃあな」


「良かったね、アミ。なんとかなりそうだって」


『うむ。海殿や柴殿、藤殿との戦いを避けられたのは大変ありがたい。もしまた戦うとなると…』



俺の合図で井上がスキルを使ったのか姿が消え、駒込や石井達も出て行くと住吉が安心したように言い…



永江は深く頷いた後にトラウマでも思い出すかのように軽く震える自分の手を見ながら呟いた。




…翌日。




「起きろ」


「んー?」


「早く起きろ」


「…まだ寝かせろよ…ん…?」



多分まだ夜中の内から起こされるので寝返りをうつように拒否ると俺は異変に気づく。



「んん!?」



ベッドの上で寝ていたハズが気づければ真っ白な床の上に居て、俺はその固さに驚いて飛び起きた。



「ようやく起きたか。我を前にしてなんと図太い奴だ」


「…誰…?」



目の前で全く知らん初対面の真っ白の服を着た男が呆れたように言うので俺はまず正体を尋ねる。



「我はこの世界の神だ」


「神ぃ?…で、その神様が俺に何の用だよ?」



男の胡散臭い自己紹介に俺は疑いながら『これは夢か…?』と思いながら聞く。



「身に覚えが無いと言うか?神に仇なそうする愚かな反逆者よ」


「あー、なるほどね。はははっ、マジか?いや、マジで?これはウケるわー」


「…何がおかしい?」



神と名乗った男の威圧的な態度に俺は昨日の思い当たる節を思い出して笑うと男は不快そうな顔をして問う。



「わざわざ俺を呼び出して?いや、夢の中に出て…か?まあいいや、とりあえずわざわざ神自ら直接警告やら注意をするって事は危機感を感じてんだろ?つまり実際に神の所へは行けるし倒せるし脅せる、ってのをわざわざ教えに来てくれたようなもんだぜ?」



アホな行動が完全に裏目に出てんじゃん。と、俺は男をバカにして笑いながら理由を話す。



「き、貴様…!この状況でよくも…!」


「その反応で更にダメ押しだな。なにが神だ、ただの考えの足りねーアホじゃねーか」


「ぐっ…!」



男は怒ったような反応をするので俺が煽るように呆れながら更に墓穴を掘った事を指摘すると悔しそうに唸った。



「とりあえず素直に俺らを元の世界に返せ。じゃねーと灰村とかにボコられんぞ」


「貴様…!今の状況を分かってるのか!貴様一人で何が出来る!」


「…なるほど。その足りない頭でよく考えたな。俺一人ならどうとでもなると思ったか?」



俺が優しさで警告するも男はこの現状に対して得意げに言うので俺は意外に思いながら返してそう確認した。



「ふっ、知っているぞ。貴様らが一人では何も出来ない事を!」


「ほー、俺らは神に警戒されて対策を立てられるレベルにまでなってるって事か…だが残念。時期を間違えたな」



駒込に会う前ならコレでも封殺出来ただろうに…と、俺は男を馬鹿にしたように言いながらスキルを使って兵を召喚する。



「ははは!そんな蟻がごとき雑魚が何体居ようと物の数ではないわ!」


「前までは…な」



調子に乗ったように笑う男に俺もニヤリと笑って兵に死大帝と亡霊王の装備を着けさせた。



「なに?」


「一応兵に装備自体はこの世界に来て最初に試したんだが、強さが全く変わらなかったから諦めたんだよな…ま、装備の質次第だとは思うけど」


「くっ…!なんだと!?そんな手が…!くそっ!」



昔に一回やって諦めた方法を再度実行すると男はうろたえながら臨戦体勢を取る。



「諦めてくれりゃあいいのに…どうしてもやりたいワケね」


「ふざけるなあああ!……ぬっ」


「…あれ?」



俺が呆れながら装備を着けさせた兵を差し向けると男は怒ったように叫んで悪あがきのように兵に攻撃し…



死大帝や亡霊王、神象の装備を着けた兵は一発で消し飛ばされた。

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