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「…海原君、ソレってホント?」


「みたいだな。どうする?」


「どうしたの?」


「えっとね…」



斉藤が困惑したように確認してくるので肯定して判断を仰ぐと住吉が不思議そうに聞き、斉藤は困ったように女子達に今の情報を共有させる。



「えっ!アミが!?」


「じゃあミアを倒さないと私達帰れないの!?」


「…やだ…」


「なんだなんだ?どしたー?」



せっかく俺らが内緒話として小声で話していたのに住吉達が驚いて声を上げたせいで石井が不思議そうに聞いてきた。



「なーに、こっちの話よ。気にすんな」


「さっきも駒込に似たような事言ってなかったか?」


「まあまあ。いーじゃねーか」



藤原の適当なごまかしに石井が怪しむように返すと柴田もごまかすように流す。



「…もしかしてお前ら、その蛇神とやらの魔獣を知ってるんじゃないのか?」


「そりゃ俺らがこの前倒したんだから知ってるに決まってんだろ」


「ええ…もしかしてまた死皇帝と一緒でお前らが既に倒してたパターンか?」



灰村が睨むように確認してくるので俺がそう返すと井上が微妙に勘違いしながら聞く。



「でもこいつらが倒してたら『倒せ』なんて言うか?実はこいつらでも倒し切れなかった事をバレないように隠してるとか?」


「だったら依頼はまだギルドにあるだろ…」


「…確かに…それもそうか」



石井は疑問に思いながらも弄るように笑いながら聞くが、呆れたような藤原に論破される。





ーーーーー






「…えーと…いい?」


「うん」


「実はその蛇神っていうのはこの子の事なんだけど…」



佐藤と清水を含めた女子6人で話し合った結果、佐藤が代表して斉藤達に確認を取って永江の事を話し始めた。



「「「なっ…!!」」」「「えっ…!!」」


「永江さんは魔獣なんだけど、『服従の首輪』をしてるから無害って事で見逃されてて…」


「服従の首輪って…あの家畜とか動物に付けるアレ?」


「うん。だから多分その巫女さんの神託?ってのが間違ってる…と、思う…」


「…そんなはずは…」



驚く面々に佐藤が説明しながら言いづらそうに巫女の間違いを期待してる事を言うと井上が困ったように返す。



「まあとりあえずコイツとは結構な付き合いでな。下手したらお前らよりも付き合いが長いかもしれん」


「あ…そうなんだ…」


「…でもソイツを倒さないと俺らは帰れないんだろ?」



俺の情に訴えるような説得に飯島が納得したように呟くと石井は困惑したように…言いづらそうに痛い所を突いてくる。



「…お前らができねぇんなら俺がやってやるよ」


『ほう?自ら妾の糧になりたいと申すか?最近の若者にしては殊勝な心がけよのぉ』


「ぬかせ」


「だめ!」


「待って!」



灰村が指の骨を鳴らしながら近づくと永江は挑発的に笑い、一触即発な雰囲気になると斉藤と住吉が永江の前に出て止めた。



「灰村、やめとけ。どのみちお前じゃ勝てねーって」


「…んだと?」


「お前が害獣に苦戦するレベルならマジで永江の言う通りエサにしかならんぞ」


「えっ!?」


「そ、そんなレベルなのか…?」



藤原も制止するように言うと灰村は噛み付くように睨むが柴田も藤原に同意しながら言うと飯島と駒込が驚く。



「…じゃあどうする?このまま元の世界に戻るのを諦めろってのか?」


「「「「…それは…」」」」



灰村のイラついたような発言に小林を除く女子達の反応と言葉が被った。



「でも、アミを見捨ててまで元の世界になんて帰りたくない!」


「うん!他に方法はあるはずだし!」


「灰村くんお願い!」


「…チッ…」



住吉達が永江を庇うように言うと流石の灰村も女子には食ってかかれないのか、舌打ちして下がり元の位置へと戻る。



「でも実際問題どうするんだ?一応俺は明日姫にこの事を話して違う方法を探して貰うつもりではあるけど」


「おい藤。お前の閃き力が今試されてんぞ」


「うぇ!?俺!?」


「神童と呼ばれてたお前ならいけるって」


「マジ?じゃあ藤原に任せるか!頼んだぜ、藤原」


「ええっ!?」



井上の現実を見た確認に俺が弄るように藤原に振ると柴田も弄るように言い、駒込が意外そうに真面目な感じで頼むので藤原はテンパった。



「えーとぉ……ちょっと待てよ……閃け俺の脳…!フル回転だ…!!」



藤原は考える人のようなポーズを取ってうーんうーん…と、考え始める。



…それから5分後。



「ダメだ!何も思いつかねー!やっぱ人間追い詰められると無理だって!全然全く何も浮かばねーもん !」



考える事を諦めた藤原が言い訳のような事を言い出す。



「海!こーゆー時はお前の出番だろ!」


「ああ?」


「確かに困った時の海原頼りってのはよくあるな…よし海、藤の代わりに頼んだぜ!」



藤原の無茶振りにめんどくせーと思いながら返すと柴田も乗ってきて弄るように親指を立てた。



「まあ選択肢は四つぐらいはあるけどよ」


「「「あるの!?」」」「「あんのかよ!」」



俺がいくつかの考えがある事を話すと灰村と女子を除く野郎どもの反応が被る。



「一つはそのまま永江を倒す」


「えっ!?」


「海君それは…」


「おい海!今ソレを回避する方法を探してんだろ!」


「二つ目は元の世界に戻る事を諦めてこの世界に骨を埋める」



俺の発言に住吉が驚いて深山と藤原が反発するが気にせず二つ目の選択肢を告げた。

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