第194話 ショーカン魔狼を退ける
魔狼に囲まれて襲いかかってきたところにメテオストライク(極小)を発動した。
ハッハッハッと舌をダラリと垂らした魔狼が押し寄せて来たところへ、カコンッと留め金が外れる音がして中空から20tの鉄塊が落下した。
ズゥンッと地が揺れる。
「……」
「……」
「……」
決死隊と魔狼の間に無言の時が生まれた。
「あれ?」
「「「はぁ――?!」」」
一番先に声を上げたのは魔道士たちだった。
「
「第八位以上しか使えないはずだ。じゃなきゃ無理だ、できたとしても魔力が枯れて死ぬぞ」
「だがアレはまさしく
「馬鹿な、馬鹿な……」
いろいろ騒々しいが、その
コホンッと軽く咳払いして一部訂正する。
「メテオストライク(極小)だ。この(極小)ってのが大事なんだ」
「そこが問題なのか? そんな問題か?」
「だって適当につけた名前だし……」
「違うだろうがっ、絶対にアレは違う! 俺は認めないぞ」
オゥフ、そう言われても困る。
魔狼を見ると群れの中のボスっぽいやつが、クンクンとあたりの匂いを嗅いで、どこからあの鉄塊が落ちてきたか困惑している様子だ。
「さて、もう少し前に行きましょうかね?」
盾兵を押し除けると防衛陣から進み出る。魔狼たちからすると、恐怖に駆られて群れからはぐれでた個体に見えるはずだ。
「ヴォフッ!」
ボスらしき個体が軽く吠えると、四方八方から襲いかかって来た。
正面から来た3頭はおそらく
『在庫システム発動』
唱える必要はないけど、そこは気分だ。
クルリと振り向いて後ろの奴に斬りつけると、背を向けられた3頭が一斉に飛びかかって来た。
カコンッと音がするとまた鉄塊が落ちてくる。ズゥンッと地響きとともに3頭が下敷きになり、驚いた周りの魔狼も飛び退いている。
すぐに
「デタラメだ」
「デタラメでもなんでも良い! そのまま蹴散らせ」
なんか防衛陣から声が上がるが、追い払えればそれで良い。
ボスっぽい魔狼のほうを見ると、しばらくこちらを観察していたが
「アォ――――ン」
と遠吠えを上げた。
すると遠巻きにしていた魔狼たちが一頭一頭、と姿を消していく。
撤退する魔狼たちを見守っていたボスは、最後にチラリとこちらを見ると姿を消した。
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