第171話 忍び寄る破滅の気配
神聖軍が300しか来ておらず領兵は使い物にならない。領主は冒険者を使い潰すつもりだ、と悟った。
――――領主館から解放されて冒険者
「いつ戻る?」
「
あの聡い
呼び出しを食らったのが夕方だったから、もう外は真っ黒で、いつもなら依頼から帰ってきた冒険者たちでごった返すロビーも閑散としている。
「あら、おかえりなさい」
訓練所からミランダとレオが出てきた。
「ずいぶん遅くまで訓練しているんだな?」
「こんな時間じゃないと彼女のトレーニングもできないでしょう?」
「労役の後なのにお疲れ様だよ。ところで――ちょっと良いか?」
いつもと雰囲気が違うからかレオが怪訝な顔で問い返してくる。
「なにさ改まって?」
「いや……ここでは話しづらい事なんだ」
チラリと
「じゃあ私の家に来る?」
提案してくれるからレオと二人お邪魔する事にした。
――――
ミランダに連れられてアパート……と言うよりちょっとした高級マンションに連れて行かれる。
俺とレオたちが暮らすアパートとは雲泥の差だ。
部屋に入るとフワッと薔薇のような甘い匂いがした。
「簡単な軽食を作るわ」
とキッチンに引っ込んでいく。
これが女子の部屋か。
女子の部屋……女子の部屋って……
「ショーカン、なんかキモいよ」
レオの冷たいツッコミに慌てて伸びた鼻の下と緩んだ顔面をリセットする。
「ナンノコトカナ?」
「そーゆートコ」
そうゆうとこらしい。
――――領主館で見聞きした事を話しながら軽食を食べ終えて。
「と、言うわけで領主と神聖軍が少なすぎる気がするんだ。
ミランダが額を指で叩きながら思考している。
「領兵と合わせても600――万を超える魔物の襲来に備えるには少なすぎるわね」
「足りない分を志願兵や冒険者で補うつもりだ」
「でも
レオが焦って口を挟んでくる。
「逃亡者を抑えるために虚偽の依頼を出されたんだろう。ギリギリで戒厳令をしいて強制参加させることも出来る。つまり――」
ロクなことにならない。
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