第164話 またまたやり過ぎたショーカン
――――その翌朝からDランク以下の魔法使い以外の冒険者たちは、ひとまとまりに集められ区分けされた
レオたち女性冒険者は炊き出しに回された。
「おい、こっちは上がったぞ。固めてくれや」
野太い声が上がると土魔法の使える魔法使いが
「なるほどねぇ、こうすりゃ土留めもいらねぇから作業が早いや」
なんて俺が感心していると、
「そこっ、手を止めるな」なんて
「へ〜い」
しぶしぶスコップを土に差し込み土嚢袋に詰め込んでは後ろへ回すと、年少の冒険者が手分けして塹壕の周りに積み上げていく。
「だいたいこんな――役にたつのかねぇ」
「ブツクサ言うなよ若けぇの。この
同じく隣で穴掘りしていた40すぎの冒険者が手を休める事なく地面を掘り返している。肉体労働の冒険者たちだからショベルカー並みにどんどん
「役に立つなら良いけどな」
他がやってるから俺もせざるを得ない。
とはいえ疲労は積み重なっていくもので、握力はなくなっていくわ中腰で繰り返す作業に腰と肩は悲鳴を上げ始めるわ――こんな異世界は嫌!
と言うわけで
「おい兄さん、あそこまで掘れば良いんだな?」
監督役の騎士に声をかけるとニキビ顔の少年が振り返る。
「に、兄さんとはなにか?! これだから平民は……次から口の利き方に気をつけろ」
と言いながらも頷くから一応頭を下げてやる。それ以上絡んでこないのは現場で騒動を起こすな、とでも釘を刺されているのだろう。
「よーし、あそこまで掘るぞぉ。そこの君、危ないから退いててくれ」
年少の冒険者たちを退けるとなにを始めるつもりだ? と周りも手を止める。
「また貴様かっ! 鞭打たれたいかっ」
と駆け寄ってくる声は無視だ。
『
と念ずるとぼやっとした空気のゆらめきが起こり、ゴゴゴッと振動が始まった。
スコッと間抜けな音がすると目印までの土がなくなり、綺麗な堀が産まれた。
「「「「はあぁぁぁ――――?!」」」」
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