第153話 でたらめな魔法
巨岩の上に避難するも闇落ちに囲まれたショーカンとレオ。ショーカンは起死回生の一手を打つべく『在庫システム』を起動した。
――――
「あった……これだ」
見つけたのはアイアン・ゴーレムが残した鉄塊。
それが20tもある。コカトリスやら、サイクロプスの買取価格が高すぎて
「これならば……」
「ショーカン何する気?」
心配そうに……いや、またなんかやらかす気か? と言った顔でレオが尋ねてくるが、説明している暇はない。
「心配すんな。なんとかなる」
そう言って中空を睨み神経を集中させる。
ぼやっとだが、手が乗せられるような弾力を感じてそこに手をかざし、その弾力に扉をイメージ。
陽炎のような揺らめく扉が現れた。
「ショーカン、あれは?」
不審に思ったレオが尋ねてくるが黙ってろ、と仕草で止める。
「ブモォォォ――ッ」
闇落ちどもの何度目かの体当たりで巨岩がメキリッとひび割れ始めた。
「ブモォォォ――――ッ」
勢いづいて全力で突っ込んで来やがる。
「そぉれッ、鉄塊放出っ」
タイミングを見計らって空間に作った扉を開けた。
扉に繋がった『在庫システム』から鉄塊が放出される。ゴトッという音とともに、鉄塊が突っ込んで来た闇落ちに命中した。
「ゲフッ!」
たちまちダンプほどもある闇落ちの巨体が縮んでいき、肉と角が
ついでに鉄塊も収容し、再び中空に扉を形成していく。
「そぉれ! 喰らえっ、
「メテオストライク?!」
レオがなんか言いたそうに口をパクパクさせているが、(極小)なので問題ないだろう。
中空に出現した半透明な扉が開くと、再び20tの鉄塊が落下していく。
「グゲッ」
巨大な水牛が風船が縮んでいくように小さくなり、
もはやこうなれば作業だ。
巨岩のあたりに集まっていた闇落ちどもを次々と押しつぶし、肉塊に変えては収容していくとフゴフゴ言いながら森へと逃げ始めた。
「ぶわっはっはぁぁ――っ」
その後ろ姿に手をかざし、再び扉を形成しようとするが上手くいかない。どうやら有効距離があるようだ。
ともあれ危機は脱したので良しとしよう。
「レオ、助かったようだぜ。下に降りよう」
そうレオに目を向けると、なんだか怒っている。
ん? ……どした?
「あんなの魔法じゃない!」
なぜかプンスコしながら岩を降りていくんだが、なぜだ?
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