第144話 またも怯えるリビングアーマー
――再び
第三層までを駆け抜けて問題の第4層の入り口にまで到達した。
目の前には大きい扉と小さな扉。
これをリーダーが大きな扉を開けて入ると亡者と
「……よな?」
レオに反対側の小さな扉を指す。
「ん、そうだよ。今回はリーダーのミランダさんがいないから、どっちが開けても良いんだけどね」
レオがどうする? と小首を傾げて聞いてくる。
ものすごく嫌な予感がする。
今回の場合、
どちらもリーダーではない場合、主導する方をリーダーと判定するのではなかろうか?
と、なれば今回は俺が開けると大変な目に遭う事になる。
反対にレオが開けた場合。
ミランダに出会うまではレオがリーダーだった。
もし仮に
「ぬぅ……レオ、どう思う?」
奥歯を噛み締め
「ショーカンって本当、コッチ系になると意気地がないよね」と呆れ顔だ。
さっさと小さな扉を開けようと近づいていくから
「待てっ、待てって!」
とレオを制しようとした。
「間違えたって、今回はちゃんと聖水もあるし早く
徹夜? 夜を徹すると書いて徹夜?
夜通しあの
はんわぁ〜と湧いては消える怖い妄想を、手を振り回して打ち消しているとレオが扉を開けていた。
「な、なにすんだ? レオ!」
「先に行くよ? 来るの? 来ないの?」
――――前回と違い。
足音が反響し、所々に飾られている肖像画がすっごく地味に怖い。
「呼んだ?」
とレオが後ろから声をかけてくる。
「よ、呼んじゃいないよ」
心臓をバクンバクン言わせながら振り返ると、レオが不思議そうな顔をしてあたりを見回している。
「誰かが呼んだ気がしたんだよねぇ」
とランタンであたりを照らすと畳くらいの油絵が現れた。暗い背景にローブを着た男がこちらに背を向けて、佇んでいる絵だ。
「なんか不気味だね……」
さしものレオも顔色が悪い。
『よく来たなレオナ』
油絵の中の男が急に振り返って話しかけてきた。
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