第142話 またやらかしましたか?
「まぁ、勉強料と思え。明日から洗浄水を卸せよ」
とマーベルは金貨を3枚置いて出て行った。
――――その翌朝。
「うっそ?!」
ベッドの上で固まっている。
昨日、マーベルに洗浄水を卸せと言われて、『在庫システム』を起動したら、なんと洗浄水にする素材がない。
「どうすんべ……(汗)」
しょうがない、また
身支度を整えてレオの部屋へ。
ノックをして声をかけると、すでに起きていたのか扉がわずかに開いて「何?」と応答がある。
「
「は?」
「洗浄水にする素材が切れた」
「どうすんのよ、マーベルさんに売り込んだばっかりじゃない。確認してなかったの?」
「すまない、素材にならない在庫はまだあるんだが――」
「素材って?」
「ボアが一番変換率が良かった。どうだろう?
はぁ――っとため息が聞こえる。
「ちょっと待ってて。ラエルとも相談してくる」
と言い残し気配は遠ざかって行った。
しばらくして。
「わかったよ、家政婦さんが来てくれたらラエルを預かってもらえないか頼むから、それまで待ってて」
レオの準備が整うまで
――――その買い出しを終えて。
「洗浄水を寄越せと冒険者の皆さんが大騒ぎしてまして……」
瓶底メガネのザ・事務員さんがテンパっている。
「ちょっと待ってくれ、洗浄水の在庫を切らしてるんだ」
「へ?!」
ダラダラと冷や汗を流す職員さん。
そこで俺氏、ナイスアイデアが閃いた。
「なぁ、
「在庫? 8体ほど保管してありますが……「買った」」
「それ全部売ってくれ」
「全部で金貨12枚になりますが……?」
「構わん、樽とその8体の交換で洗浄水を渡す」
「ええ?!」
彼の疑問はさて置き、倉庫へ案内されて書類にサインして樽の準備が整うと。
「『在庫システム』収容&変換!」
あっという間に8個の樽に洗浄水が満ちていた。
「はぁ?!」
「残りは2日後に補充するからヨロシク」
とその場を逃げ出した。
ふぅ……俺氏、仕事のできる男だし。
小鼻が膨らんでいる俺を、可哀想な生き物を見る目でレオが突っついてくる。
「ボアがでるのは4〜6層だよ?
オゥフ……俺氏、またやらかしましたか?
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