第123話 下水道の暗闇に光る鏃
「――と言うわけでこれから冒険者研修で、明日から下水道だ」と
まじっすか?
――――と、言うわけで俺は下水道にいる。
ここにくる前日に研修を受けたが、教わる項目は金になる魔物と薬草の種類と金額、あとは冒険者の仕組みと
俺は暗いところが嫌いだ。
雇った年少の冒険者の動かす吹子のフィゴーッ、フィゴーッと下水道の入り口から送られてくる外気があったにしても、パチパチと音を立ててあたりを照らしてくれる
まして暗くて臭くてネズミが走り回り、G的な虫が這いずり回っている
だが作業中に跳ねてしまう飛沫がかかるたびに、ひい、とかイギィッとか悲鳴をあげてしまう。
「なんでこんな事になっちまったかな……おい」
愚痴が人が4、5人くらい入れるような、薄汚い下水トンネルに反響する。
作業は一応河口に近いところから始まった。
下水出口の鉄柵に引っかかっている不法投棄のガラクタを、刺股みたいな棒で突き崩しヘドロを掻き出す。
すると灰色の汚水がブクブクと音を立てて川へ向かって流れ出していく。
そのブクブクがなんとも言えず臭くて、
流れができると水路の側面に走る作業路から、下水に溜まるヘドロを底ざらいしては廃棄箱に詰めて、上で待機している年少の冒険者に渡す――この繰り返しだ。
「うぇっぷっ」
これは帰ったら速攻で風呂に入らねばならぬ、誰が止めようとも、いや止めるやつがいたら間違いなくぶちのめすんだぁ。
そんなことをブツクサ言いながら作業していると、人の気配がする。
こんなところに用事のある人などいない。
あるとすれば俺を捕縛しようとする領兵くらいだ。さっきまでの嫌々モードから一気に戦闘モードへ移行した。
『在庫システムオープン! 作業服から
と念じると作業服と胸まである胴付き長靴が、白銀の
『作業棒からバスターソードへ変換』
手にした作業棒が光の粒となって
ズッシリとした重みが頼もしい。
「誰だ、いるんだろう? 出てこいよ」
そう声をかけると代わりにビュッと矢が飛んできた。
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