第100話 まさかな……? まさかなのか?
🌟ここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。ついに100話に到達できました。ここまでお付き合いくださいました皆様のおかげでございます。
厚く御礼申し上げます🌟
ーーーー引き継ぎショーカン目線です。
俺が弁護に回るとレオも堰を切ったように話し始め――やがてレオが話終わるとマーベルはうーんと目を
「一つ確認なんだが……」
と重い口を開ける。
「レオくん。なぜビルは君を置き去りにする必要があったんだろう?
無理な
赤字になる程度で、
確かミランダが『共助の情け』と言う慣習があると言っていた。
平和な日本に住んでた俺には分かりにくい感情だが、命を預け合う戦友の情に近い絆があると言う。
『互いをできる範囲で助け合う』暗黙のルールがあるんだそうだ。
レオの言う通り、赤字だからと言って見習いを切り捨ててしまえば、2度と
そうなれば見習いの真似事をメンバーの誰かがせねばならず、不満が募ってパーティーが瓦解することも珍しくはないらしい。
だからマーベルはそこまでリスクを負う意味がわからん、と言ったわけだ。
俺としてはこっちの世界の慣習がわからないから、そんなもんか? と思っていたがマーベルの指摘を聞くと流石にそんなリスクを負ってまでレオを置き去りにした意味がわからなくなる。
マーベルの言葉にレオはポロポロと涙を流しながら俯いた。悔しそうにズボンを握りしめて黙っている。
まさかな……? まさかなのか?
微妙な空気に俺は腰を浮かした。
「レオ、俺はトイレに行ってくるぞ、ああっ漏れそうだぞ。おいっマーベルさん、トイレはどこだ!?」
下手な芝居を始めた俺の意図を汲み取ったのかマーベルは頷いて
「ギルドマスターにトイレを案内させる
と負けず劣らずの三文芝居を始め、女性職員に意味ありげな目線を送ると俺を連れてトイレまで付き合ってくれた。
片側が街を見下ろせる腰高の窓が、昼から夕刻へ向かう
「よう、本当は用はないんだろ? ここなら滅多に人はこねぇ。レオ君のさっきのことをを知ってたのか?」
とマーベルが眉間に皺を寄せて聞いてくる。
「んなわけねぇだろ」
ふぅと息を吐いたマーベルが、まさかビルのやつ――と口を開きかけた時、先ほどの女性職員がお茶を乗せたお盆を手に近づいて来た。
耳元で小声で告げる報告が漏れ聞こえてしまう。
「レオはビルから乱暴されそうになって……」
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