第79話 チームリボーンのリボーン
「――私も盾役も攻撃も出来る
そう言うと綺麗にウインクして見せた。
――引き継ぎレオ目線です。
ミランダさんのパーティーメンバーとして教授するって提案は、全て私のためだった。
私が貴族の子息を差し置いて内弟子になるってことは、貴族から排除されてしまう危険があるってことだ。
それを避けつつ教授を受けながら生活費を稼ぐことまで考えてくれている。
全て私の側に立って考えてくれたもので、今までこんなにも優しい扱いをしてもらえた事などなかった。
「ミランダさん……私」
たちまち目の前が涙で滲んで鼻の奥がツンとしてくる。
「あらあら私は私のメリットがあるから提案してるだけ。その涙は受け入れてくれるって事で良いのかな?」
ミランダさんはポッケからハンカチを取り出して、優しく私の涙を拭ってくれた。
返事の代わりにコクンと頷くと
「――だ、そうだけどショーカンさんは問題ない?」
とショーカンに目を向ける。
「ああ、そうして貰えると逆に助かる」
いつの間にか兜を脱いでいたショーカンはミランダさんの手を取った。
「レオのことを宜しく頼む」
満足気な笑顔を返したミランダさんがピンと人差し指を立てた。
「ショーカンさん。もう一つ提案があるんだけど良いかな?」
「ん? なんだよ」
「これはレオちゃんのためでもあるんだけど、このパーティーのリーダーを私にして欲しいの」
「あ?……ああそう言うことか? レオが良いなら俺は構わないぞ」
とショーカンは何かを納得してこちらに顔を向けた。
私はショーカンの補助しか出来てないから、リーダーにこだわるつもりはなかったんだけど事情が飲み込めていない。
「なんで? ショーカンがリーダーでも構わないでしょ?」
ショーカンは少し言葉に迷いながら
「ミランダは俺たちの身元保証人になってくれるって言ってるんだよ。Bランクの冒険者がパーティーリーダーの方が俺たちも信用されるだろう?」
と解説してくれる。
そうだよな? とミランダさんに目を向けるとニッコリと頷いた。
「それじゃ取り分も決めておくわね。レオちゃんの教授料金も含めて私が四割、
身元保証の代金を考えても破格の提示だと思う。
一も二もなく頷いた。
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