第66話 巨大鳥に苦戦するリビングアーマー
森の外周を沿うように続く道を歩いていると、転げ出てきた黒ローブとそれを追いかけて来た巨大な頭。
それに続けて見上げるほど大きな鳥が出てきた。
鳥? いや、翼の代わりに鋭い
これって恐竜なんかな――あまりの巨大な敵との遭遇にポカンと見上げてしまった。
頭はダチョウのようで首から下はティラノサウルス?
二足歩行で前脚が翼の名残りなのか、かなり長いところが違う気がする。
立ち上がった体長は8メートルはあるんじゃないだろうか?
「あれ――?」
バッチリ目が合ってしまった。
「グォラッ」
ひと吠えすると
「グォォォ――ッ」
まるでこの獲物は自分のものだと宣言するように。
「レオッ、なんなんだコイツ」
「知らないよっ」
「逃げろっ、ともかく逃げろっ」
と声を上げて突き出されてくる鋭い
「ギィッ」
苛立ってきたのか、鋭い
「ぬうっ?!」
いくら今の俺が生前と違い怪力になっていたとしても、このままでは質量で押し切られる。
なにしろここは一本道で左手には森が、右手には足場の悪そうな岩場になっている。
左右に逃げ場がない以上、後ろに下がるしかないが――サーベルタイガーの時のように懐に飛び込むか?
いやそれは悪手だ。
なによりリーチが違いすぎる。あの時は俺のリーチとバスターソードを合わせれば、十分対抗できた。
だがコイツは5メートルはありそうな、電柱のような前脚を振り回して来やがる。
「ショーカンッ」
後ろから声が掛かると巨大鳥もどきがのけぞった。
見るとレオが投石器を振り回して左手をかざし、発射の構えを見せている。
「私が気を引くっ」
「馬鹿っ、やめろって」
レオは気を引いている間に、飛び込めって言いたいのだろうが俺が倒れたらレオは終わる。
「なんとかするから下がってろっ」
「馬鹿っ、このままじゃ二人とも終わるっ」
短い言い合いの間にも巨大鳥もどきは踏み込んできては嘴を突き入れてくる。
「クソッ」
畜生――飛び込む隙がねぇ。
ガキッと奥歯を噛み締めていた時。
「二人とも伏せてっ」
と鋭い女の声に反射的に地に伏せた。
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