第61話 レオの夢
覆った手を退けると額には扇形に広がる笹の葉のような
「レオ、額に妙な模様ってのかな? 笹の葉みたいな
「
おおそれって『
『右目が疼く……』とか? それとも
「レオ、その
キラキラの眼で問い返すと
「魔素が貯まった証さ。魔物に魔石があるだろう? あれと同じで、人間も魔素に
そこに魔素が貯まって魔石になるんだけど――つまり魔法を使える準備ができたってこと」
と少し困ったような顔で答えてくれた。
そこに違和感を覚える。
器って……
魔素を貯め込むと器ができるってのは、魔素が放射線のようなもので、現代医学的にみて
――やばいんじゃねぇの?
「なぁ……それって、肥大化するとどうなるんだ?」
心配になって尋ねてみる。
「ん? 魔法の威力が上がったり、継続時間が長くなったりするらしいけど。私もわかんない」
「さっき普通ない――とか言ってたけど?」
「普通はこんな短期間で
「錬成って?」
「魔素の凝縮の仕方。魔法を使うためには魔素を凝縮させる錬成をしなくちゃならないし、イメージ通りに
それが魔術で、
なら魔素が貯まったサインが
「そう、だから魔法使いって凄いんだ。魔素を貯める狩りをしながら錬成を欠かさず、何百とある術式を覚えて魔法を発揮できるんだからね」
だんだんこの世界での魔道士の立ち位置がわかって来た。
何年も術を学び磨き上げて、初めて認められる存在。
だから当然、絶対数が少なく社会的に認められるのもそのまた一部。
「なぁ、レオ。その魔道士ってのが、レオの夢なのかい?」
しばらくポカンとしていたがコクリと少女は頷いた。
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