第52話 7層をクリア
私が
これが上手くいってオーガはその数を減らして行った。
最後の一人を倒した時には、
ふぅと息をつくと野地板に座り込んだ。
良かったぁ上手くいって。
いくら
ビルたちと入って来た時には一人(一匹?)しか出なかったし、ビルがすぐ逃げ出したからこんな事はなかった。
「おーい、レオ。降りてこいよ」
下から声がかかるから中腰になって見下ろすと、ショーカンがフェイスガードを上げて白い歯を見せている。
「大丈夫? ショーカン」
「ああ、大丈夫だ。いつまでも高いところにいちゃ危ないだろ、早く降りてこいよ」
「わかった、今行く」
そろそろと窓枠に手をかけて屋根裏部屋へと生還した。
――――
ショーカンが待ち構えていて両手を突き出している。
ハイタッチを求めているんだろう。
めんどくさいやつ――と思いながらもパチンッと手を合わせたら終わった実感が湧いて来て、ふぅと安堵した。
疲れた――すぐにでもしゃがみ込みたい。
急に心臓がバクバクしだして涙が溢れそうになる。
「良かった……良かったぁ」
ショーカンが平気そうで。私も生き残れて。
「頑張ったな。正直、お前の援護で助かったよ」
そう言ってショーカンは優しく頭を撫ぜてくれる。
「ショーカン、その血……」
「ああ、痛くはないんだ。ただちょっと鬱陶しいから、どっかで洗いたいんだが――」
とあたりを見回す。
店の奥に勝手口を見つけると、そろそろと開けてみる。そこには中庭になっていて井戸端があった。
「あたりを警戒しててくれ」
そう言って兜を脱いだ。
兜を脱いだ?!
「え?」
「なんだよ?」
「
「ああ? ああ、もう人間だからな。半分くらいだが……」
「そうなんだ……」
井戸端なのに井戸使わないのは不思議だったけど。
ショーカンが人間に戻りつつあるのが嬉しくて、右腕に巻きついた魔法絆がキラキラと光を放った。
『レベルが上がりました』
と謎のアナウンスがそこから流れて来た。
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