第46話 7層の罠
レオには
よほど疲れていたらしい。
「可哀想に――もう少しの辛抱だぜ」
と寝顔に語りかけるとフニャリと微笑んで
「お肉……」
だって……(笑)
――――第7層に入る手前。
地図を確認していたレオが顔を上げた。
「第7層と8層の堺に
「オーガって?」
「すっごいガチムキのツノの生えた大男。力は強いけど、4人がかりなら倒せなくもないから脅威度4ってところかな」
ふと、何かを思い出したように
「前回ビルは必死に逃げてたけどね」
へっと鼻で
「大丈夫だ。心配ないぞ、何が出てこようがブッ飛ばす」
と
「心配すんな」
フェイスガードを持ち上げてニッと笑って見せると、やっと少し口角を上げてくれた。
――そして7層に入ると。
江戸時代の宿場町みたいなところへ出た。
――なにこれ?
「これが
「騙し討ちかよ」
「第7層は罠の層さ。人の心の隙をついて罠に誘い込むんだ」
「厄介だな……」
両脇には木造二階建ての建物が並び、馬車が2台ほどすれ違えるくらいの大通りを歩いていく。
『助けて――っ』
絹を裂くような悲鳴が聞こえる。
「な?!」
その声に釣られて走り出そうとするが、レオが腕にしがみついてくる。
「何すんだ?!」
「これが罠だよっ」
「そんな言ったって……?」
建物と建物の間から砂埃を巻き上げて、黒い塊が転がり出て来た。
「な?!」
レオを後ろへ回して身構える。
そろりそろりと近づいて見ると血だらけの人。
冒険者なのだろうか?
革鎧と鉄の鉢金を被っている。見開かれた瞳に光はない。
「いっ!?」
遠間からレオの悲鳴が上がった。
ビュッと空気が震えた気がしてその場から飛び退くと、そこには一抱えほどある石の塊が落ちて転がる。
「オーガだっ」
レオの悲鳴とともに、細い路地から額から2本の角を生やす大男が飛び出して来た――10人も。
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