第43話 セーフティーゾーン
『おのれをまず知れ』
そう言うと
――――レオ目線です。
「どゆこと?」
思わず口をついて出てしまった。
さっきから
漫然と歩く者を容赦するほど、この
「ねぇショーカン。どう言うことだと思う?」
「なにが?」
「さっきのよ」
「気にすんな。ボケた魔物の
そう言えばアレは私のことをレオナと呼んでいた。
レオナと言えば、このコンスタンティ皇国の王女レオナ・アンガディウス様が真っ先に思い浮かぶ。
もっとも王女にあやかろうと、この国の女の子の名前にレオが入るのは珍しくないのだけれど。
コンスタンティ皇国の国教であるアウーラ教の神官でもあり、私とは対極の
「そんな事より大丈夫かよ? その……なんだ、悩み事があるなら聞くぞ?」
「え? ああ……ごめん」
ここは
不注意で死ぬなんて当たり前の世界で、私は何やってんだろ?
山のちょうど5合目あたりに、
思えばここにいた時に、ビルは私の
目隠しは2本柱が立ってて、その先に布を引っ掛けるようになっている。
布は各自が持参するものだから今は丸見えで。
私は切実な問題に直面していた。――そろそろトイレに行きたい。
――どうしよう。
いくら底辺女子とは言え、顔を会わせた
モジモジしていると、なぜか
「何やってんの?」
「え? 普通いるだろ? トイレはキャンプの基本だし」
そう言って準備が終わると、
「俺は
そう言って
良いやつだなぁ――遠ざかるのを見送ると、早速そこへ駆け込んだ。
右腕に巻き付いた絆が優しい光を放っていた。
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